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評価:
夢枕 獏
徳間書店
(2007-07)
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本は読んではいるんですが、なかなかレビューが追いつかない。1月後半、仕事尽くしでもうほとんど休みがないんですけど。。記事の投稿はあと幾つできるのか。
さて、事件がまったく解決されずに終わった前回。ある夫婦に憑いた猫の話、夜な夜な畑から聞こえてくる人の声の謎、帝を呪う立て札の謎。第二巻ではいよいよ畑の謎の答えが明かされ、また、これらの事件を繋ぐ大きな背景が見えてくる。
作品の前半は、探偵パートみたいな感じで、妓楼で出会ったある詩からヒントを得て、白楽天と共に墓を暴くことになった空海と逸勢。様々なトラップや暴漢に阻まれながらもたどり着いた物語は作品の後半大部分を費やす楊貴妃の物語だった。
楊貴妃の話については真偽はともかく非常に面白い。その最期も、彼女を巡る策略だったり救いの手だったり。特に阿倍仲麻呂のポジションが魅力的です。阿倍仲麻呂と言えば望郷の歌と、日本に帰って来れず、唐の国で人生を終えたその生き方が有名ですが、彼の人生にこれほどのドラマがあったなんて、いや、あったと描かれるとは単純に驚き。また、当時の唐という国がどれほど文化的だったか、他国の人間に寛容だったとか、調べたり知れば知るほど興味深い。
この作品はまだ二巻目ですが、起承転結のまだ承の段階でこれほど面白い。次の第三巻はそろそろ空海が表舞台に立ち、敵の輪郭も見えてくるのではないかと期待しているのですが。とりあえずこれは何巻まであるのだろうな。ハードカバーでは4冊くらいだったような・・。第二巻でかなり面白くなってきましたので次が楽しみですが、古本屋で探しているので次が読めるのはいつになるやら。。書店でフツーに買ってしまいそうです。