このミステリーがすごい!2007年版
地下鉄の中でしか本を読めない日々が続き、イライラしているところにやってきました、このミスの季節です。普段、ハードカバーは読まないので、ランキングを見ても「これが!?」みたいなリアクションが取れないんですけど、今後購入する目安のため毎年楽しみにしています「このミステリーがすごい!」、すったもんだの挙句ようやく入手しました。
ランキングに関しては各所で公表されているので特に並べ立てませんが・・・1位の「独白するユニバーサル横メルカトル」、これは読みたいです。ホラーらしいですけど、本の紹介を見る限り嫌いじゃなさそうな。ただ、じっくり文庫待ちしますので、実際に手に取るのは1年後くらいかしら。そして一番気になったのが「夏期限定トロピカルパフェ事件」のランキング入り。見た瞬間、嘘だろう思いました。確かに「春季限定〜」は飛び抜けて面白かったけれど「夏季限定〜」はどうなんだろう。そして乙一の「銃とチョコレート」も確かに面白いけれどランキング上位を飾る作品だったかといえば、そうは思えないんですが。今年は海外ミステリが当たり年と書かれていたように、国内作品は豊作というわけではなかったのかな。
気になった作品は、ぶっちぎりで有栖川有栖の「乱鴉の島」です。発売当初からもう気になって気になって。火村シリーズの新作で傑作の様子なのでハードカバーでもいいから買ってしまいそうな勢い。今日まで待ったので、文庫化まで待ちますけどね。19位というのが微妙ですけど、これ妥当な順位なんでしょうか・・。その他では法月綸太郎の「怪盗グリフィン、絶体絶命」、石持浅海「顔のない敵」、米澤穂信「ボトルネック」この辺りは購入予定。そして道尾秀介「シャドウ」、田中啓文「落下する緑」が両名共に未読の作家さんなので楽しみです。さらに、恒例のバカミスでは「シャーロック・ホームズのSF大冒険」これ絶対読みたい!!ハズしたらダメージ2倍の上下巻なのでリスクは大きいですけど。
主に作家の近況が語られる「私の隠し玉」では、やはり有栖川有栖先生でしょう。2007年には発売されるのかな。江神シリーズということは創元社から出るのかな。だったらいきなり文庫で発表ということもありそうなので非常に期待大です。文庫ユーザーとしては新作発表から文庫落ちまでのタイムラグを耐えねばならないので。同じように毎年気になっている「我が社の隠し玉」は海外作品中心だったので残念な感じ。
今回のこのミスでは大沢在昌と石持浅海のインタビューが掲載されていて、石持浅海さんて男性だったのか!!!とひそかに衝撃を受けました。恥ずかしながら、女性だと思い込んでいたもので。。。西尾維新、那須きのこに続く性別勘違いでした。びっくりです。
本格ミステリ・ベスト10〈2007〉
探偵小説研究会
このミスと一緒に初めて買いました「本格ミステリ・ベスト10」ですが、有栖川有栖「乱鴉の島」が見事1位です。しかし、このミスでは19位。この差ってなんだろう。。「邪魅の雫」や「夏季限定〜」が上位にランクインしているので、このミス同様、今年はミステリ豊作というわけではなかったのかなとも思いますが、気になる本や読みたい本は先にあげたこのミスとほぼ同様でした。
しかーし、今回は「本格ミステリ・ベスト10」の10周年らしく、1996年から2005年までのオールベスト・ランキングが掲載されています。これが凄い!! 1位「絡新婦の理」2位「鉄鼠の檻」は本当に順当ですよ。私でもこの2作挙げます。しかし、伊坂幸太郎のように票が割れてしまって上位にランクインしてこない作家もいるようで、ランキングがそのもの全てではない様子。10年という縛りなしにオールタイムベストも見たいですけれど、制限を解いてしまったら、きっと乱歩と横溝で埋め尽くされるのだろうな。アンケート結果でそれぞれ回答者の方が挙げていたランキングは多様で今後の本選びにお役立ちです。ただ、海外ミステリのアンケートでは、「これしか読んでいないので」みたいな、5位まで挙げていない方も結構いて、これってアンケート回答者としてどうなんだろう。。
その他、映像作品やライトノベル、コミック、ゲームの紹介もあって思いのほか楽しい一冊。このミスより面白かったかな。ミステリを題材にしたコミックに最近関心があるのですが、業田良家「源さん刑事」が気になります。。。スリリングらしいですよ。紹介文が秀逸でした。喜国雅彦と京極夏彦による装頓大賞もかなり面白いです。巻末には1996年から2006年までのランキングも載っているので、次に読む本をお探しの方は参考にしてみては。さて、2007年のうちどれだけ読めるか・・・。とりあえず来年は法月綸太郎のシリーズに挑戦したい。