ながし読み日誌

文庫で読書。最近はハードボイルドに傾倒気味です。。
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2010.04.07 Wednesday | posted by スポンサードリンク
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ラグナロク洞―“あかずの扉”研究会影郎沼へ/霧舎巧

評価:
霧舎 巧
講談社
¥ 790
(2005-05)
閉じ込められる
ダイイングメッセージに一種のこだわりを感じます
連続殺人新機軸

これも風邪っぴきの寝床で読んだ本。前作を読んだのは1年以上前ですね。それだけ寝かせてありました。とりあえず積読本にはこれともう一冊あるのでこの機に読もうと手に取りましたが、文庫の厚さのわりに一気に読めた。

旅先で、洞窟に閉じ込められた鳴海とカケル。同じく閉じ込められた人々の中で殺人事件が発生する。一作目“館モノ”、二作目“孤島モノ”に続く三作目は“嵐の山荘モノ”。洞窟に隠された様々な謎が古き良き日本のミステリ―横溝とかあの辺ですけど―を彷彿とさせる。
冒頭で引用されているのは有栖川有栖『月光ゲーム』からのセリフ「これだけ大勢の人間が首をひねって解読できんようなメッセージはとんでもない欠陥品や」。作品内でもダイイングメッセージが大きなポイントとなる。鳴海さんの理路整然としたダイイングメッセージ講義もありますし。これはコアなミステリファンなら今更なカンジの内容なんでしょうが、長いけど浅い私のようなミステリファンなら十分面白い。

それ以上に印象的だったのが、これまで鳴海さんのポジションは、探偵小説における刑事ポジションのようないわゆる探偵の当て馬のようなものだと思っていました。だってこの作品には真の探偵、後動さんがいますし。しかし、この作品を読んで、改めて、この作品は探偵が二人いるのだと実感。まあ、実際は後動がやはり探偵なんですが、後動さんは関係者に深く関わっている部分が、多くのミステリで登場する探偵とは違う部分で、部外者ではない。その点、鳴海さんは部外者として事件に関わる探偵として登場する。探偵の役割を二人で分けている点がこのシリーズの特異性かもしれません。鳴海さんが真に探偵として本領を発揮するのはこの次の作品なんですが、この作品から既に当て馬レベルとなめていた私の認識は一新されました。

事件自体は、こんなことあってたまるかレベルの、例えば赤川次郎の四字熟語シリーズ並みの体の良さだと思ったんですが、それをうまく動機・目的としてまとめた感じでした。語呂合わせやカムフラージュで関係ない人が殺害されるならそれほどテキトーなミステリはないだろうと思っているので、そういうオチではなかったのがとりあえず良かった。また、洞窟がどういったものなのか、どういう目的でそうなっているのかなど、舞台の面白さも見どころ。二作目までは続けて読む気がまったくなかったのですが、この作品、次の作品を読むと、シリーズを続けて読んでいきたいくらいの求心力にはなりました。未読の方は風邪っぴきの時にでもぜひ。

JUGEMテーマ:Book review
2009.07.18 Saturday 13:03 | posted by ソラチ
・ 霧舎巧 | permalink | comments(4) | trackbacks(1)

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2010.04.07 Wednesday 13:03 | posted by スポンサードリンク
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Comments
こんにちは〜☆
ソラチさんのレビューを拝見すると面白かった様ですね。
霧舎作品は、わりと好きな方なので、僕も風邪っぴきの時にでも読んでみようかな。
毎日暑いので、最近は読書を ご無沙汰しています。
あ!島田荘司作品の「摩天楼の怪人」が文庫化されましたよ。未読でしたら是非読んで頂きたいです。
2009/07/19(Sun) posted by いくおちゃん。
こんにちは!
久々のミステリでしたので、新鮮でしたし面白かったです。この次の作品のほうが好みでしたが。
「摩天楼の怪人」は購入済みで、ようやく読み始めたんですが、まだまだ序盤です。この厚さで御手洗シリーズなので、おのずと過去の作品の爆発的なエネルギーを期待してしまうんですが、どうなんでしょう。久々で勿体無い感じもするので、ゆっくり読みたいと思います。
2009/07/19(Sun) posted by ソラチ
こちらにもトラックバックさせていただきました。
トラックバックお待ちしています。
2009/10/30(Fri) posted by 藍色
藍色さん

こちらからもTBさせていただきました。これ以降、霧舎作品は読んでいないのですが、シリーズが進めば進むほど面白く感じる不思議な作家さんだと思いますので続編を読むのが楽しみです。
2009/10/31(Sat) posted by ソラチ








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