ながし読み日誌

文庫で読書。最近はハードボイルドに傾倒気味です。。
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2010.04.07 Wednesday | posted by スポンサードリンク
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裸者と裸者〈上〉孤児部隊の世界永久戦争/打海文三

評価:
打海 文三
角川書店
¥ 700
(2007-12)
傑作戦争小説
海人の物語だけで進んでもらいたかった。
内戦の弱者と、生き抜く者。


「わたしの仕事は戦争の真実を世界に知らせることなの。一枚の写真が戦争を阻止することだってありうると信じている」
「うそつけ」
「どこが嘘?」
「せかいは、ひさんなしゃしんなんかみなくたって、せんそうのしんじつをしってる」


経済破綻、世界恐慌を機に日本に雪崩れ込んで来た難民、治安は乱れ、政治が荒れ、内乱が発生し、日本は中央集権国家としてのカタチを失った。父親はアメリカ軍の空爆で亡くなり、母親は兵士に連れ去られ行方不明になった。幼い妹と弟と3人で生きてゆかなければならない海人は7歳だった。
弟の薦めで手に取った一作。「ハルビン・カフェ」があれだけアタリだったので、期待も高まると言うもの。上下巻に分かれていますが、今作に限っては、上巻と下巻は別の物語です。続きではあるものの主人公が違いますし。というわけで別々にレビュー。

わずか7歳で妹と弟と3人で生きてゆかなければならなくなった海人が、徴兵されて少年兵となり、やがて孤児ばかりの隊をまとめあげて軍隊の中で生きてゆくという物語ですが、「ハルビン・カフェ」といい今作といい、ちょっと前ならありえない空想の物語と思えたものが、今この時代であればいつ同じような状況になってもおかしくない、という妙なリアルな感覚があります。こんな時代になったら自分はどうだろう、若ければ若いほど適応できるんだろうな、など思いながら読みました。それくらい、少年・少女が強く生きる姿が描かれていますが、単なるヒューマン・ドラマじゃない。海人が身を置く事になった常陸軍の情勢だったり、内部の政治的な揉め事だったり、軍以外にも、生きてゆくために武器を取って立ち上がった様々な集団、団体が現われる。この時代の流れ、少年、少女らの運命から目を離せない、そんな感じでした。

頻発するテロ、マフィアや軍の横行、大きな戦争や衝突があった後には必ず略奪と暴行が民間人を襲う。そんな中で海人がであった人々は、実に公平で、差別を嫌う様々な生き方を容認する者たちだった。まさに人との出会い、交流が人生を決めるのかもしれない。ロシアのマフィアであるファン・ヴァレンティン、外人部隊のイリイチ大尉との出会いが特に素敵。戦闘についての描写が多い中、この二人の人物と話すシーンは、安心して読めるし、人としても魅力的で嬉しい。彼らの未来が翳らないことを祈りながらとりあえず下巻へ。

JUGEMテーマ:Book review
2009.07.10 Friday 10:25 | posted by ソラチ
・ 打海文三 | permalink | comments(0) | trackbacks(0)

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2010.04.07 Wednesday 10:25 | posted by スポンサードリンク
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