ながし読み日誌

文庫で読書。最近はハードボイルドに傾倒気味です。。
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2010.04.07 Wednesday | posted by スポンサードリンク
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ハルビン・カフェ/打海文三

評価:
打海 文三
角川書店
¥ 860
(2005-07-23)
多視点・多民族の混沌な感じが好きな方へ
読み手を選ぶ作品です
「濃密な読書時間」を楽しみたい人へ

弟から薦められた一冊。紹介文を読む限り面白そう。「裸者と裸者」「愚者と愚者」が気になっていたので、まずはこの作品を読んで気に入ったら他の作品を読んでみようと、軽〜い気持ちで手に取りました。同じ時期に似たような作品を幾つか購入したのですが、蓋を開けてみればその中でもぶっちぎりに面白かった。これはハマりそうです。

北陸に出来た新興の港湾都市・海市。そこは大陸から流れてきた難民、マフィアが溢れ、治安を維持するための警察官は次々に殉職した。止まらない仲間の死に憤った一部の警察官たちが地下組織を作り、警官殺しに報復するテロ組織が生まれた。名もないその組織はやがて「P」と呼ばれるようになる。
最初に、海市の設定・世界観を読んだ時に、「外国人に参政権を」とのたまう某政党の目指す友愛社会とやらが実現したら、こんなカオスな世界が生まれるんだろうな、と思いました。しかし実際に読み始めてみると、犯罪と暴力に溢れた世界で何と戦いどう生きるのかではなく、これは警察官の物語だった。特にこのような荒い舞台を用意しなくても警察官の物語は幾つもあるが、命がけな舞台を用意する事により、テロ組織に身を置く警察官、Pを追う警察官、キャリア、ノンキャリアそれぞれの立場の違いがより鮮明になる。

複数人の視点で語られることにより、幾つかの事件の真相を小出しにして読書スピードを加速させ、「P」を追う者、追われる者どちらの視点も見せることで、両方の正義・意志を感じる。クライマックスには銃撃戦あり、アクションありなのに、陳腐じゃない。上質なサスペンス映画を見ているかのようでした。

物語のメインは「P」を追う小久保と、幾つかの事件すべての真相を知るある男性。その男性は、諸悪の根源にも関わらず悪を感じない、冷淡で非情な決断に迷いがないのにそう感じない、彼に関わったために亡くなった人数を知った上でもクライマックスでは「逃げてー!」と叫びたくなる、その魅力は何だろう。ラストの彼と彼が救った女性の会話が何よりも秀逸。そこに惚れたのだ、きっと。

JUGEMテーマ:Book review
2009.06.20 Saturday 22:49 | posted by ソラチ
・ 打海文三 | permalink | comments(0) | trackbacks(0)

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2010.04.07 Wednesday 22:49 | posted by スポンサードリンク
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