ながし読み日誌

文庫で読書。最近はハードボイルドに傾倒気味です。。
favorite recent entries 2009

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

2010.04.07 Wednesday | posted by スポンサードリンク
- | permalink | - | -

ねじの回転―February moment/恩田陸

評価:
恩田 陸
集英社
¥ 500
(2005-12)
二・二・六事件へのオマージュ
ページを繰る手が止まりません
見事な前ふり

評価:
恩田 陸
集英社
¥ 480
(2005-12)
二・二・六事件へのオマージュ
ぜひ映像化を…!
これは傑作だと思います

これは面白い。古本屋で購入してから何となく積読と化していた期間が今では信じられない。想像以上に良かったです。

二・二六事件でクーデターを起こした軍人、安藤大尉と栗原中尉。二人は、歴史を正しく辿るためのプロジェクトとして未来からやってきた者たちに指示され、事件の朝を繰り返す。しかし、歴史とは違った事実が目の前に展開されてもなぜか不一致にならない。そこにはプロジェクトチームともその時代を生きた人々とも違った第三者の介入があった。
まず、二・二六事件って名前だけは聞いたことあるけどー、レベルで読み始めたんですが、あっという間に過去のキャラクター達に魅せられました。何とか彼らを助けたいという過去の歴史について未来の人間が思う気持ちは、今もその先もきっと一緒ですね。歴史に介入する事の倫理観はたまた未来への影響など、こういうタイムトラベルものにはとても難しい問題がありますが、今作ではさらに、過去未来を行き来できるようになったがための弊害ともいうべき恐ろしい病気も付加され、物語を盛り上げる。上巻のラストなど絶妙なタイミングです。

再生のリミットなど作者が作り上げられた世界観の枠内で物語が完璧に完結していて、それが一番お見事だと感じました。SF設定を使い切れなかったり、齟齬が出てきたりはよくあると思うのですが、その世界観を作り上げる事による縛りや制限すらも作者の意図なのでしょう。孤島や雪の山荘みたいなものでしょうか。計算尽くされているのに臨場感や危機に陥った時のドキドキハラハラ、そして想像を超える物語の展開。エンタメとしてもミステリとしても楽しめる。過去に読んだ恩田陸の作品の中で一番面白かったかな。好きなのは「象と耳鳴り」ですけど。

一箇所だけ、うーんと思ったのは未来なのかパラレルなのか、星条旗の下に州旗としてはためく日の丸は、例え仮想未来としてでも嫌ですね。ただ、ラストシーンやプロジェクトチームの彼が選択したものは良かったですし、それよりも、二・二六事件当時に生きた安藤、栗原ほか大勢の軍人達の生きたシーンひとつひとつが非常に魅力的で胸をうちます。彼らが辿る変るはずのない結末を知っているからなのだろうけれど、歴史上の事件を、今作の様にクローズアップしてミステリとして仕立て上げるスタイルは面白いですね。やっぱり恩田陸の作品、好きだわ。

JUGEMテーマ:ミステリ
2009.05.30 Saturday 16:18 | posted by ソラチ
・ 恩田陸 | permalink | comments(0) | trackbacks(1)

スポンサーサイト

2010.04.07 Wednesday 16:18 | posted by スポンサードリンク
- | permalink | - | -
<< 張遼/桐谷正 | main | 新リア王/高村薫 >>
Comments








Trackbacks
http://lovetom.jugem.jp/trackback/472
恩田陸「ねじの回転」
ねじの回転―FEBRUARY MOMENTクチコミを見る 恩田陸著 「ねじの回転」を読む。 このフレーズにシビれた。  そこには正解はない。だが、彼らは試みる。彼らは新たな地平を求め、今また新たな歴史の一ページを作ることを果敢に試みるのだ。 [巷の評判]恩田陸を読むでは
| ご本といえばblog | 2010/02/20 11:06 AM |
最近の記事
カテゴリ
検索
過去の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
みんなのブログポータルJUGEM(じゅげむ)