ながし読み日誌

文庫で読書。最近はハードボイルドに傾倒気味です。。
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2010.04.07 Wednesday | posted by スポンサードリンク
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京極夏彦「魍魎の匣」と映画版「魍魎の匣」

評価:
京極 夏彦
講談社
¥ 1,334
(1995-01)
ほぅ。
祝!映画化!!
押入れの中は覗くなかれ
映画版「魍魎の匣」を観まして、原作と大きく設定が違ったので原作を読み返したくなりました。そういえばレビュー書いてないし、ちょうど良いや。もう何度目になるのか、そろそろ愛読してると明言しても問題ないくらい読み返した京極先生の傑作デス。

あまりにもメジャーな作品なので、作品の概略は割愛。名作なので今更不要でしょう。ついでに映画と対比してしまえ。というわけで、まずは映画版から。
映像化された京極作品は多々ありますが、原作への愛ゆえに、どうしても点が辛くなってしまうもの。巷説百物語はアニメや映像化が結構なパターンされていますが、堤幸彦監督の作品がわりと良かったくらいで、それ以外はむむむという感じ。映画版「姑獲鳥の夏」など問題外。忠実に再現されているのはリアル眩暈くらいですし。しかし、今回見た「魍魎の匣」は減点ポイントがわりと少なかった。少なくとも前作よりははるかに良い出来ですね!

映画版魍魎の一番のポイントは、何と言っても久保竣公。彼の設定を大きく変えてきたこと。榎木津との絡みは要らないと思いましたが、彼の根底をそこに持ってきましたか、という感じでした。そこまで大きく変えてくるなら、彫像のような色男な設定も不要ですし、クドカンがキャスティングされたことにも納得。

映画版で久保竣公のスイッチが入ったのはどの時点なんだろう。原作では間違いなく旅路のアレなんですが。今作では加菜子ちゃんがどういうポジションに居るのかなど気になって結局、原作を読み返したくなるのです。原作で読むポイントはただ一点。時系列を把握すること。再読なので頭ではわかっているんですが、それでも改めて原作を読むと理路整然に頭で時系列を理解しながら読み進めるのは結構難しかった。特に加菜子ちゃんサイドの物語が時系列の感覚を狂わせますね。映画版と原作の違いを探しながら楽しむのも1つの映画の楽しみ方かもしれないです。設定違っている時点でもう別物なので、個人的には、前作のような映画化に対して負の感情はあまりなかった。

ただ、映画版の最大の減点ポイントは木場修太郎のポジション。木場ファンとしては言葉がない。ラストシーンなんて、その場に居ないですから。彼の憑物は誰が落としてくれるのだ。ついでに魍魎は木場の事件じゃないのか?「御用だ!」のあのシーンは? まあ、役者自体、木場のイメージと全く違うので、まあいいやと思えなくもないんですが・・。あれは別人だ、別人だと思えばなんでもないや、みたいな。ついでにアクションシーンもあまり要らないですよね。キャストでは、相変わらず堤真一の京極堂は良いですね。あと、敦ちゃん以外は私のイメージと大きく違ったんですが、それも別物として考えれば特に気になりません。木場以外は。榎木津も阿部寛じゃなきゃできないでしょう、という感じ。

原作魍魎で印象に残るシーンは久保竣公と榎木津礼二郎の対峙するシーンだったり、「僕は、馬鹿な友人のために躍動する馬鹿運転手だ!」と叫ぶあのくだりだったり、榎さんがダットサンもどきを見て諸手をあげて喜ぶシーン、もちろん「御用だ!」のシーンもですが、映画版では割愛されていました。姑獲鳥や魍魎の頃の榎木津は、後の薔薇十字探偵のシリーズと比べて、もっと言葉が通じるような、少し柔らかいイメージがあるのです。無駄に奇声をあげる常人には理解が及ばない存在ではなかった気がする。なので、私は「姑獲鳥の夏」「魍魎の匣」の頃の榎さんが、地に足がついていて一番好き。木場はもっと好きなんですが、映画ではどうでも良い立場だったしなあ。

原作でなければ味わえない最大のポイントは何と言っても久保竣公の原稿ですね。あれが全てですし。小説なのになぜこれほどまで映像的なのか。映画では絶対見られないシーンが小説では味わえるのです。木下君が大変な物を見てしまった時とか、冒頭の、編集者2人と関口君がハコ館に辿り着いてしまった時とか、記憶に残るシーンは枚挙に遑がない。さらに、今作は乱歩のオマージュと言われていますが、「押絵と旅する男」は実は未読なので、既読だとまた原作を楽しむポイントが変わってくるのかなと思いました。次は、乱歩読後に再読ですね。

JUGEMテーマ:読書
2008.09.16 Tuesday 21:22 | posted by ソラチ
・ 京極夏彦 | permalink | comments(2) | trackbacks(0)

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2010.04.07 Wednesday 21:22 | posted by スポンサードリンク
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Comments
宮迫の木場堪え難しなので、私としては出なくて良かったとさえ思ってます でもね〜基本魍魎は木場ですけど... ソラチさんのレビューで、ほとんど魍魎の内容忘れてるコトに気づきました 何がなんだかわからない 読まなきゃですね
2008/09/17(Wed) posted by きりり
確かに耐え難い<宮迫。木場ファンとしては、別物だとわかっていてもムリですね。

魍魎はネタバレ絶対嫌なので、レビューというよりは映画の愚痴になってしまいました。しつこいですが、映画版姑獲鳥よりはずっと良かったんですけど・・。
2008/09/17(Wed) posted by ソラチ








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