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評価:
上橋 菜穂子
新潮社
¥ 620
(2008-07-29)
Amazonおすすめ度:
チャグムの成長ににんまり
今までとは違います。
力と虚空
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文庫版最新刊で守り人シリーズ4作目です。中に入っていたチラシを見る限り、守り人シリーズは、今作を除いて残り3タイトル+外伝1作といったところらしい。これは寂しい情報です。しかも完結するらしいですし。完結って何? どこがゴール? 関係ないけど十二国記は??
隣国サンガル王国で新王即位の儀礼があり、来賓として招かれたチャグムとお供のシュガ。しかし、サンガル王国では、“ナユーグル・ライタの目”と呼ばれる、海の民に魂を奪われた少女が現われ、その期に乗じて国家転覆を図る輩が水面下で暗躍する。次々ときな臭い事件が発生し翻弄されるサンガル王家にチャグムは手を差し伸べられるのか。
サンガル王国は海の国で、様々なエリアが集合して形を成す諸国のようなもの。作品は、王宮に訪れているチャグムの視点と、海を漂う民“ラッシャロー”の少女の視点で展開する。今回はバルサやトロガイの助けを得られない。しかし、大変な苦難に直面する人を前にして、手を差し伸べずにいられない。一作目より少し大人になったチャグムの成長記みたいな側面もあり、なかなか妙な感じ。ただ、国としての危機度は過去最悪。大丈夫なのか、サンガル王国。
これまで、新ヨゴ皇国とカンバル王国のふたつの国しか登場しなかったこのシリーズですが、あらたに海の国・サンガル王国が登場し、さらに隣国諸国が幾つか明らかになり、敵対している国や大国ヨゴ皇国の存在も気になる。こんなに舞台を広げて、あと3タイトルで本編終了とは。。。大部分は積み残しですか。ただ、今後、新シリーズとして書かれる可能性もなくはないので今後の展開と新作に期待。まあ、文庫読みですから、出会えるのは途方もなく先なのでしょうが。
ところで、新潮社で「新刊お知らせメール」なるものが始まっていたらしい。出版社系のメルマガは講談社「ミステリーの館」と東京創元社の新刊情報だけ登録していましたが、なんともありがたいシステム。早速、上橋菜穂子先生を登録。これで守り人シリーズが漏れずに読めます!!便利ですね。