07,
2010
2010.04.07 Wednesday | posted by スポンサードリンク
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18,
2008
第一話
「死神の精度」は、死神とは、、、のようなオリエンテーションも兼ねた作品。気が滅入るような、今にも自殺してしまいそうな女性。彼女につきまとうストーカーは何者か。暗い女性の話なのに、それほど暗さや重さを感じないのは、死神・千葉の淡々とした性格がそうさせているのかもしれない。人の生き死にをあんな方法で決めていいのかというラスト。でもこういうの、嫌いじゃないです。
第二話の
「死神と藤田」は、かなりスキ系の話でした。対象者はヤクザの藤田。彼の子分と共にヤクザの抗争に巻き込まれる話ですが、「藤田さんが負けるわけはねえんだ」という熱く若い舎弟の一途な想いだったり、対照的に死神の淡々としたスタンスが魅力的なのだ。
第三話
「吹雪に死神」は、吹雪の山荘で起きる連続殺人の現場が舞台。今回は対象者の調査とあわせて、探偵役にも挑む。ミステリとしては、それほど目新しいカンジはしませんでしたし、対象者の誰かひとりにスポットを当てたような話ではなかったのでイマイチ乗り切れませんでした。むむむ。
第四話の
「恋愛で死神」は、これもかなりスキな物語。対象者の恋バナに付き合い、不器用な男女の恋が実っていく様子を見守る話ですが、読んでいて千葉の職業をつい忘れてしまうようなプラトニック度!“可”と“見送り”の判断基準はどんなだろうと思いました。一話目を見る限り死神の裁量ひとつのような気がします。同じく判断基準はなんなんだと感じたのが第五話の
「旅路を死神」。カッとして人を殺してしまった若者。彼との逃避行を描いた作品だが、若者の危うい部分もしっかり描いているが、彼の純粋な部分も魅力的に描かれていて好ましい。
最終話は
「死神対老女」、対象者は浜辺にある美容室を営む老女。千葉を死神と気づいた彼女は、明後日限定で若者の客を集めてきてほしい、という依頼をする。なぜ明後日なのか謎なままに律儀に人を集めて彼女を見守る千葉。死を間近にしてなお落ち着いていて、粋なおばあちゃんが、うらやましいくらい魅力的。読んでいて年齢を感じさせない若さだったり格好良さもある。やっぱり伊坂幸太郎の描く人は大好きです。
読後の一番の感想は、伊坂幸太郎の作品の中でもベストだし、今年読んだ本の中でベストだ!と叫びたくなるような名作でした。伊坂幸太郎の作品で登場する人物のオシャレなこと。彼独特のハードボイルドが大好きです。気になって直木賞候補時の選評を見てみると結構キビシイものもありましたが、わたしは十分に満足。良い読書でした。
私も『死神の精度』大好きです!うちのレビューの第一声が「この作品は伊坂幸太郎のベストかもしれない」なので(笑)ソラチさんのレビューを読んで「うんうん」と高速で頷いてしまいました。「死神対老女」の落とし方なんかが、伊坂らしくて納得。本当に良い読書ができる作品ですよねっ!
全然関係ないのですが、「逆転検事」なるものが発売になるらしいですね…今度はみっちゃんとイトノコ刑事が主役!?ソラチさんとまたぶっちゃけプレイトークができるのをいまから楽しみにしてます!
2008/04/18(Fri) posted by
まじょ。
ソラチさん こんばんは
こちらにもTBとコメントを!!
シュールという言葉が、とってもよく似合う、粋でクールで、ちょっとほろ苦い、素敵な作品でした。私的にも伊坂作品の中では高得点です!!
2008/04/19(Sat) posted by
yori
千葉は好き過ぎです 今風に言えば、ちょっと天然..って死神だからズレてるんでしょうが、でも死を扱う姿が、やっぱり神なんだな〜と思いました
2008/04/20(Sun) posted by
きりり
まじょ。さん
最近は、伊坂幸太郎独特のハードボイルド世界にやられっぱなしでしたが、こういう淡々とした作品もたまらなくいいですね!!
で、逆転検事!!! 気にはなっていたのですが、本当にゲーム化されるのか気になります。今年中に出るのかなあ。来年なのか。出たら速攻やりますよ!!!
2008/04/20(Sun) posted by ソラチ
yoriさん
読了から実は日が経っているのですが、いまだに余韻があります。千葉から見た様々な人間をもっともっと見たい、読みたいですね!今のところ、今年度読んだ作品でベストです。まだ四月ですけど(笑
2008/04/20(Sun) posted by ソラチ
きりりさん
言われて納得。確かに天然ですね!!! 続編が出る可能性ないのか気になるんですが、ラストシーンで、ジンクスのひとつが崩れちゃったので、もうないのかなと思ったり。千葉もステキでしたが、ヤクザがお気に入りでした♪
2008/04/20(Sun) posted by ソラチ
こんばんは。
「死神の精度」面白かったですねぇ。僕の中でもこの作品は伊坂の傑作の中でも傑作という位置づけです。千葉のキャラクターがユニークでいいし、連作小説で気がついてみればうまく話が続いていて、きれいにぴたっとはまる感じでいいし文句のつけどころがありません。
いい作品ですね。映画もなかなか面白かったですよ〜。
2008/04/28(Mon) posted by
樽井
こんばんは!!
わたしもこれまで読んだ伊坂幸太郎の作品の中で文句なしにベストです!!! 死神だけではなく他キャラも良かったですね。映画は見ていないんですが、、、これは珍しくハズレなさそうなカンジでした。DVD出たら絶対見たいです♪
2008/05/01(Thu) posted by ソラチ
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彼が仕事をするときは必ず雨が降る。仕事の合間にCDショップへ行き、試聴機で大好きな音楽を聴く。
対象者を一週間のあいだ調査し、その死...
| ぱんどらの本箱 | 2008/04/19 3:37 PM |
連作短編集というものは、ある意味で、
長編小説の一つの手法であると思う。
何故ならば、優れた連作短編集には
物語の並びの中に、見事なほどの起承転結があるからだ。
ふと思い出すのは、村上龍が自らの初長編小説
「コインロッカー・ベイビーズ」の後書きで記
| 活字の砂漠で溺れたい | 2008/04/19 10:20 PM |
伊坂幸太郎、この人の作品はいつ読んでも「才能あるなぁ」と素直に感嘆してしまいます。 本作も「死神」が主人公の連作短編集なんですが、どの一編をとっても出来がよくて、なおかつそれがきっちりと計算され尽くした配置で一冊の本としても奇麗に完結する形になっ
| 樽井さんの読書&電化よもやま日記 | 2008/04/28 12:27 AM |
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| 無料出会い掲示板 | 2011/05/19 8:41 PM |