ながし読み日誌

文庫で読書。最近はハードボイルドに傾倒気味です。。
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2010.04.07 Wednesday | posted by スポンサードリンク
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ぼくだけが知っている/吉野朔実

amazonでリンクがなかったのにちょっとむかつきますが、あまりにも好き過ぎて思わず“吉野朔実”カテゴリ作ってしまいました。前も書いたけど吉野朔実の作品はもう漫画だとか小説だとかそんな媒体の壁を越えて傑作なのです。今まで読んできた数々の小説よりももしかするとずっと好きかもしれない。コミックだから・・なんて敬遠する人がもし居るなら本当にもったいない。という私もコミックはわりと苦手で、コミックカテゴリに全てまとめてしまっていたのですが、もう吉野朔実だけは別格だからいいやー。

今回の「ぼくだけが知っている」という作品には実はちょっとした思い入れがありまして。その昔、小学生の頃は“りぼん”というコミック誌を、中学生、高校生になってからは別マをよく読んでいましたが、小学生だったか中学生だったか、ちょっと背伸びをしたくて手に取った“ぶーけ”というコミック誌に連載されていたのを記憶しています。子供が主人公なのになんだかとても大人の読み物のような印象があって敬遠していました。「恋愛的瞬間」で再び吉野朔実に出会うまで思い出しもしなかったんですが、今回ふたたび手に取った本書は、やっぱり大人のためのコミックでした。

小学4年生の夏目礼智。主人公の彼は顔がすごく可愛いくおとなしい男の子。成績は下の下だけれど天気や地震予報は確実で、空を見るのが好き。雷が好き。天災が好き。多感な彼が嫌でしょうがないクラス替えのある新学期、クラスメイトになった面々は本当に個性的な問題児ばかりだった。彼と彼をとりまくクラスメイトの日常の物語。

小学4年生の日常を描いた物語の何が面白いんだと思うかもしれないが、これは別に小学校が舞台ではなくても、中学校でも、高校でも、大学でも、もしかしたら会社でも全く同じ印象で読めただろう。ただ主人公に愛らしい小学4年生の少年を据えた所がまたポイントで、きっと正直でまっすぐな子供だからこそ個性が満点、全開で、大人の社会がデフォルメされているようでわかりやすい。

日常の様々なドラマを描いた作品は数あるが吉野朔実の作品の一番の特長は、クールでドライな作風だろう。物語の終わりには温かさと共にささやかな毒も含まれている。その毒に魅せられて吉野朔実が読みたくてしょうがないんだけれど。作品の中で描かれる題材は例えば係を決めたり、班を決めたり、ラブレターにまつわる話だったり、いじめっ子の話だったり、いじめられっ子の話だったり。しかし、この作品に登場する子供たちは皆自分の足でしっかり立っていて群れてひとりを苛めるような事はあまりない。小学4年生という幼さだからかそれとも作家のポリシーだからなのか。不名誉な噂で泣きそうになっても次の瞬間には一緒に騒いでいるような、今の子供からみると考えられないようなあっけらかんとした子供社会。作家自身がそういう子供時代を送ってきたのかそれとも理想に近い現実を書いたものなのかわからないけれど素敵です。ちなみにコミック文庫で全3巻。これで終わり?みたいな終わりなのでもっともっと彼ら彼女らの話が読みたい。
2007.06.01 Friday 00:32 | posted by ソラチ
・ 吉野朔実 | permalink | comments(0) | trackbacks(0)

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2010.04.07 Wednesday 00:32 | posted by スポンサードリンク
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