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評価:
貫井 徳郎
講談社
¥ 730
(2002-06)
楽しめました
ふくらませすぎかな・・・
ネタはいいのに調理法がまずい。
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whodunit、howdunit、whydunitの3コンボ。だけれど満塁のまま3アウトという感じでしょうか。キャラクターがすごく良かった。
維新の風吹く新しい時代。宮家の出の青年が、友人とその許嫁の美女に乞われ旧家に降りかかる凄惨な事件に関わってゆく。2時間サスペンスを、貫井徳郎という作家の筆力で佳作に仕上げた印象。
部外者へのあからさまな嫌悪、深入りするなという友人の助言よりも、好奇心が勝ってしまうワトソン精神が素敵。決してありきたりなミステリというわけでなく、描かれた時代やうっすらと道に積もる雪、武家下屋敷という舞台、ミステリ好きであればそわそわするようなシチュエーション。情景が目に浮かぶような作品。時代やキャラクターが魅力的だったので、ぜひシリーズで読みたい。