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評価:
オノ・ナツメ
太田出版
¥ 683
(2007-08-28)
率直に面白い
癖になるオノ・ナツメ
大人でないと出せない味
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大好きな漫画家さんのコミックが一気に出ていたのでレビュー。まずはレビューを書き忘れていた「GENTE 1」。以前読んだ
「リストランテ・パラディーゾ」の外伝的なシリーズですね。老眼鏡紳士尽くしのレストランです☆ 特にメガネフェチではないけれど、どのおじさんもステキなのだ。
リストランテ「カゼッタ・デッロルソ」の従業員たちひとりひとりにスポットを当てた短編で、主にお店ができるまでの彼ら、「リストランテ・パラディーゾ」以前のお話が多いです。
第一話「カゼッタ・デッロルソ」はお店ができるまでのお話。あの優しげなクラウディオはどうしてこの店で働くことになったのかとか、オーナー夫人がルチアーノを見つけていたとか、ステキなエピソードです。わたしは気難しいおじいちゃんルチアーノと孫のフランチが大好きなのですが、この物語では非常に登場率が高くて嬉しい!この孫の可愛いこと!!第二話がまさにルチアーノの物語でした。娘と孫とレストランでの生活。この作品もステキな場面が沢山あるのに、孫のラブリーさに眩眩します!頑固なじいちゃんとセットなのがまた良いのだ。
第三話はレストランの近所の若いカップルのお話。要約すると浮気性の旦那に悩む彼女、カップルの行方を描いたもので、ちょっと本筋とはずれるものの、レギュラーが端々に登場するので、構えずに物語を追えます。そして四話目はヴィートと若い奥様の出会いの話。二話続けてラブストーリーです。どちらもお国柄を意識させない恋愛の話で、特に四話目のヴィートがとにかくカッコ良い。気持ちに余裕のある素敵なおじさんにやられます。
第五話はレストラン一周年を記念してオーナー宅でホームパーティー。レストラン関係者だけではなく常連のお客様だったり、家族、恋人など集まってのパーティーですが、ここでもまたフランチ!シェフと一緒にピザを焼いて、給仕までする少年がまたかわいいのだ。おじさんや素敵なレストランがメインのストーリーだけれど、この小さな男の子が働く大人の癒しになってるんですね!!ラストは超短編ですが、レストランを辞めたマルツィオが客として来店するお話。タイトルがイタリア語なので日本語では何なのかわからないのが残念ですが、マルツィオと彼が見つけたシェフのちょっといい話でした。
そういえば、 ダ・ヴィンチで「オノ・ナツメ特集」をやるらしい。雑誌で大きく取り上げられる作家になったのだと感激。デビュー前からWEBでイラストを見かけて速攻ファンになったのですが、友人の知人だったことが判明、個人販売されていた本を何となく買うこともできず悶々としていたのですが、いまや書店で平積みになっていて、どこでも気軽に購入できるようになりました。今後も読み続けていくことができるのが何より嬉しい。