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評価:
若木 未生
徳間書店
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(2001-03)
はじめの一行で引き込まれた。
これはこれで味があります。
オーラバスター・インテグラル 月光人魚
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先ほど「大誘拐」を読み終えてから、買い物行って帰ってきてわずか1時間。どれだけ読みやすいんだ若木未生。オーラバ最高。
実は高校生の時から読んでいるオーラバスターのシリーズ。私が持っている唯一のファンタジーでライトノベルではないだろうか。最近コバルト文庫で全然出ない上、徳間デュアル文庫で“新シリーズ”と銘打って今作が出てしまったので心配でなりません。最近のコバルト文庫の傾向から少し違ってきたからなのか、それとも本当に単に新作待ちなだけなのか。それほど真剣に情報収集していないのでわかりませんが、気になる気になる。シリーズというからには次作もあるのだろうからそれは嬉しいけれども、高河ゆんの挿絵はもう一度見たいのでコバルト文庫でも書き続けて欲しい。
で、今作はオーラバの世界観の上に出来あがった不思議な話中心の短編・中編集でした。なぜか不思議なものを引き寄せる、しかしかなり廃れた心を持つ大学生が主人公。彼の身の回りで人が地面の中に消えたり、人が融けて水になってしまったり、不思議なことが起きる。それを指の先ひとつで祓う謎の大学生・三島くん。しつこくしつこく“ダサい”と描写され続けた三島くん。名前からして彼なのか?彼なんでしょ?と思っていましたが、彼ではなく神サマの方でした。ダサい格好した忍サマはあまり見たくない。。。
若木未生の、「天使/来撃」にも書き下ろされていたようなこういう短編実は大好きです。人の想いが不思議な現象を引き起こす系のファンタジーはなかなか素敵だ。シリーズ本編の終わりが恐くて見たくないのでどんどんこういう話書いて少しでも神サマの寿命を先延ばしにしてほしいところ。