ながし読み日誌

文庫で読書。最近はハードボイルドに傾倒気味です。。
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2010.04.07 Wednesday | posted by スポンサードリンク
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独白するユニバーサル横メルカトル/平山夢明

このミス2007一位の作品がようやく文庫化されました!!思えば、この年2位の佐々木譲『制服捜査』も新刊でゲットしたばかりですし、同じ年に発表された『まほろ駅前多田便利軒』や『ストロベリーナイト』も文庫化されたばかり。ということは、ずっとずっと読みたい道尾秀介『シャドウ』もそろそろか!?

さて、待ちに待った今作は「ニコチンと少年―乞食と老婆」「オメガの聖餐」「無垢の祈り」「オペラントの肖像」「卵男」「すまじき熱帯」「独白するユニバーサル横メルカトル」「怪物のような顔の女と溶けた時計のような頭の男」の全8話の異色短編集。

どれも強烈ですが、最大のインパクトは「オメガの聖餐」「独白するユニバーサル横メルカトル」の二作。ヤクザが死体の始末に囲っている体重400kを超える大男・オメガ、彼の世話をすることになった主人公は、オメガと話すうちに、彼の叡智に魅せられる。暴力的な描写もあるが、それ以上にオメガという存在が面白い。知性を得る手段というのがまあ幻想的ではあるけれど、主人公とオメガの交流ともいうべきやり取りは、物語の背景た内容とは裏腹に魅力的なものだった。

そして表題作「独白するユニバーサル横メルカトル」、長年タクシーの運転手に仕えてきた古地図の独白。執事のような語り口調に、地図であることの誇りや美意識を持って仕事にのぞむ姿?が面白い。そしてしっかりミステリな所と、オチが素晴らしい。タイトルから内容はある程度想像していたけれど、これほどの完成度だとは思ってもみませんでした。ホラーだろうけれど、ホラーが苦手でも読める作品。

また、「オペラントの肖像」は、ヒトが支配され思想すら教育・管理されるSF世界の物語。中世の魔女狩りのような異端者狩りに身を置く主人公の物語で設定・展開ともに好みな作品でした。これは長編で読みたいかな。続く「卵男」も、「オペラントの肖像」と同名のキャラクターが登場するんですが、同じ世界観なのか。こちらはシリアルキラーの物語です。アニメ化もされているらしい。

全編通して残酷な描写や暴力的な表現もあるので、誰にでもオススメというわけではないが、普段読んでいる本とは違った作品を読みたい・・なんて時に良いかなと思います。読後に、連想した作品があって、タイトルも忘れたし本で読んだのか映像で見たのかも忘れたけれど、何かに追われて教会に逃げ込んできた男が、そこでプラネタリウムのような星空を見て演奏を聴くような作品がどこかであって、なぜかその作品を思い出しました。もしかしたら共通項があるのかもしれない。読後感はそれほど酷いものではないので、本スキーならぜひ。

JUGEMテーマ:読書
2009.02.26 Thursday 16:57 | posted by ソラチ
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ストロベリーナイト/誉田哲也

評価:
誉田 哲也
光文社
¥ 700
(2008-09-09)
よくできてます
女性刑事が主役の警察小説
今後への期待も込めて...でも
近所の本屋や駅の本屋で大々的に薦められていた作品。あれだけ薦められたら手に取るわ。前評判はどこでも“とにかく面白いけどグロい”、どれだけグロいのかとドキドキして読んだのですが、許容範囲内でちょっと安心。もっとキビシイなものを想像していたので、助かりました。映画『ハンニバル』よりはるかにマシです。『ハンニバル』は当時話題だったラストシーンよりも冒頭のバルコニーから投げられるあのシーンの方が私にとってはトラウマになりそうなくらい怖かった。ただ、今作もしっかりスプラッタなので、苦手な人はご注意を。

溜め池近くの植え込みから、ビニールシートに包まれた惨殺死体が発見される。捜査一課の姫川警部補は、状況から、連続した殺人事件と判断し事件は急展開を見せる。捜査線上で浮かび上がってきた「ストロベリーナイト」とは?
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2009.02.25 Wednesday 10:43 | posted by ソラチ
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亡国のイージス/福井晴敏

評価:
福井 晴敏
講談社
¥ 730
(2002-07)
日本という国を考え直す
傑作中の傑作
後半は面白いけれども…

評価:
福井 晴敏
講談社
¥ 730
(2002-07)
最高スケールの海洋サスペンスアクション
主役も敵も、正義も悪も無い
正直、胸が熱くなりました。

読後、高揚した気分のまま感想を書きなぐっていたら、正確にはキーボードを叩きつけるように入力していたら、フリーズしました。

何の呪いだ!?
頭を冷やせということか。。。

登場人物が多く、上巻ではなかなか人の名前が覚えられず苦戦しましたが、上巻後半からは一気に読めました。登場人物それぞれにバックグラウンドがありドラマがあり信念がある。彼らが前半でどういう立場にいたのか、最悪な事にあまり覚えていないので、もう一度読み直したいです。この記憶力の悪さは通勤時にちまちま読んでいたせいだと思いたい。

国防なんてレベルの話は外国の映画の中でしか見られないもので、陳腐な感想かもしれないけれどハリウッド映画を見ているようでした。しかし、決して軽くなく、作品の中に登場するキャラクターは日本人らしい日本人で、日本人好みの演出がされていて大満足です。「そんなわけないじゃん」「アリエナイ」みたいな嘘臭さはまるでないです。

全然違う作品だけれど、読後の印象は「ショーシャンクの空に」を見た後のような感じ。ラストシーンのせいかな。

これは映像で見たい。
原作を読んでからと思い映画はまだ見ていないのですごく楽しみ。
2006.04.19 Wednesday 01:11 | posted by ソラチ
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川の深さは/福井晴敏

評価:
福井 晴敏
講談社
¥ 680
(2003-08)
流れの先に
背景の広がりと深さがスゴイ
青臭いけど

警察を退官し、無気力に生きるだけの警備員は、傷を負って逃げる少年と少女に出会う。彼らを助け、生きる希望を取り戻すオジサンの再生物語。ハードボイルドです。

面白い。想像以上に文章が硬く、そして予想以上のハードボイルドさでした。途中で止まらなくなる面白さ。他にハードボイルドを知らないので、高村薫とどうしても比較してしまうが、高村薫は冷たいけれど熱い、硬いけれど行間がある文章です。一方、福井晴敏は硬い中にものすごく夢がある。男性作家と女性作家の違いかな?福井晴敏の作品は初読みですが、行間があまり感じられず、描写が細かくて驚きました。でも読みにくくない。

宗教団体による地下鉄爆弾テロ事件をはじめ、警察機関、防衛機関、ヤクザなど、舞台は非常にスケールが大きく、警備員の桃山がハラを決めてからは急にリアリティが遠のいた気がして、ストーリーに置いていかれた感じがしたのが残念。地下鉄テロ事件は地下鉄サリン事件を意識して書かれているようで(実際はわからないがおそらく明らか)、どうしても現実の事件と小説の中の事件を切り離して考えられず抵抗があったのですが、小説を読み進むと気にならなくなり、うまく事件を消化して書かれていると思いました。豊崎由美さんの解説にも書かれていた、処女作には作者の全てがある、という事がよくわかる。もう少し他の作品も読みたいな。ハードボイルドは嫌いじゃないし読みやすいのでファンになりそうです。

この本はタイトルに惹かれて買ったのですが、作品の中で「川の深さ」に関する描写が、まるで後付けのように浮いている感じがしました。あってもなくてもいい。例えば貫井徳郎の「慟哭」を読んだ時は、ああこれは間違いなく慟哭だ、と思わされたし。タイトルよりむしろ「海」に関する話の方が印象的。ちなみに私の川の深さは足首までです。
2006.03.03 Friday 11:22 | posted by ソラチ
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