ながし読み日誌

文庫で読書。最近はハードボイルドに傾倒気味です。。
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2010.04.07 Wednesday | posted by スポンサードリンク
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不気味で素朴な囲われたきみとぼくの壊れた世界/西尾維新

評価:
西尾 維新
講談社
(2008-12)
そうだ、この人は萌えキャラ殺しだった。
お茶漬け
串中弔士を楽しむ本
前作からそれほど時間が経っていないのに、早いですね!世界シリーズ何作目だろう、メインは串中弔士と病院坂迷路(バックアップ)。困ったことに、まず串中弔士が思い出せません。そして病院坂迷路すら思い出せません。前作からそれほど時間が経っていないのにな。作品中盤で、挿絵を見て、ああ「きみとぼくが壊した世界」で大英博物館のロゼッタ・ストーンの前に陣取っていた彼か、と思い至ったのですが、病院坂迷路に関しては読了後も聞き覚えのある名前だナ、で終わってしまいました。まったくもって酷い記憶力だ。シリーズもの、読む資格ねえ。

私立千載女学園で殺人事件が起きる。その遺体は不可解な姿で発見された。謎に挑むのは串中弔士と病院坂迷路のバックアップ・・・。バックアップってなんですか?単語の意味はわかりますが、血縁だろうということも想像できますが。。。分家というくらいだから本人ではないらしい。病院坂迷路のバックアップであるという事の面白さも病院坂迷路を知らなかったり、忘れていたりすると半減なのだろう。本当誰だよ、病院坂迷路って。と、最後まで気になり、今調べてみたら「不気味で素朴な囲われた世界」で登場した“静かなる人払い令”だった。。。「不気味で素朴な囲われた世界」を記憶していなかったらきっと面白さ半減なのだろう。機会があれば読み返してみたい。。。

関係ないですが、機会があれば読み返したい・・ということは、これまでの傾向ではほぼ読み返さないという事で、読み返したい気持ちはあるが、実行に移す程のエネルギーもないのだ。本当に気になったら、「日暮らし」読了直後に「ぼんくら」を速攻読み返してしまったように、本棚を漁って目的の本を手にしているはず。少なくとも今作には、以前の作品を手に取るまでの求心力はなかったのだ。読み返してみたい気持ちはあるが、それよりも新しい作品を手に取りたい。再読する時間すら惜しい、そんな感じ。

さて、今作はしっかりミステリだけれど、ミステリとしてはどうだろう。西尾維新の言葉遊びが楽しみたくて、惰性にも似た感じで読み続けてはいるものの、この作家の真に面白い点はミステリじゃないと思っているので、ミステリとして読むなら残念。ラストに使われたトリックも、動機もネタもオチすらも、決して珍しいものではないですし、個人的な好みで言えば好ましいものでもないので、ひとこと残念。記憶に残るような、印象に残るような爆発的な瞬間もなく終わってしまった。まじょ。さんも書かれていましたが、読了後に何も残らない。決して文章が面白くないわけではないのに、なぜだろうな。↑Amazonレビューの「そうだ、この人は萌えキャラ殺しだった。」というコメントが面白いですね。

JUGEMテーマ:読書
2008.12.27 Saturday 14:45 | posted by ソラチ
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西の魔女が死んだ/梨木香歩

評価:
梨木 香歩
新潮社
¥ 420
(2001-07)
買ってよかった!
著者の最高傑作!
ポイントは想像力!?
これは予想以上の出来、すばらしい作品でした。ハートウォーミング・ストーリーはわりと苦手なんですが、ただおばあちゃんと過ごした日々を描いているだけなのにこれほど爽やかに読めるなんて。年末に本当に良い読書でした。

さて、登校拒否となったマイを両親は田舎のおばあちゃんの家に預けます。おばあちゃんと一緒に、庭や畑をいじったり日々過ごす中で、正しい魔女になるための訓練をするマイ。おばあちゃんと過ごした濃縮された時間。ただそれを描いただけの作品なのになぜこれほど素敵なんだ。それはきっとおばあちゃんとの約束がラストにあんな形で表現されるからなのだ。

おばあちゃんは魔女。魔女と言っても何かとんでもないパワーを見せられるわけでもなく、それができると言っているわけでもない。作中で語られる魔女像もファンタジーの中の魔女とは大きく違って地に足が着いている。魔女になるための訓練も、人として成長するのに必要な要素であり、何か魔法を覚えるような非現実的なものではない。そこがまず素敵です。魔女になるために、規則正しい生活をして、後ろ向きな気分に負けず、常に前向きで。誘惑に心を動かされない。実際には難しいけれど、それをおばあちゃんと一緒に素直に取り組もうとするマイの姿勢も好ましい。

そして何といっても最後におばあちゃんから贈られたメッセージ。これが一番の衝撃。それまでは、どこか読者として傍観していたストーリーが現実のものになって、涙があふれてきます。いやー、素敵だ!! こんなおばあちゃんに出会いたかったし、こんなおばあちゃんになりたい。

JUGEMテーマ:読書
2007.12.16 Sunday 10:08 | posted by ソラチ
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模倣の殺意/中町信

評価:
中町 信
東京創元社
¥ 735
(2004-08-13)
中町叙述ミステリーの傑作
新人賞
新鮮な驚き
これは久々に驚きのミステリでした。裏表紙の紹介文が鮎川哲也氏。「どうみても中町氏の書き誤りではないかと考えざる得ない結論に達するのだが、ラストでそれが作者の仕掛けたワナだったことを知らされる」私がそのワナに気づくのは、まあ例の如く“第四部 真相”に入ってからなのですが。第四部に入って問題が氷解するのではなく世界が逆転するような驚きは結構久々でした。登場人物やその他もろもろは一見地味だけれど、本格としてのパンチ力は非常に高い。我こそは本格読みだ、という人に読んでもらいたいですが、そんな人は既読で当たり前の名作なのですね。

坂井正夫という新人作家が服毒自殺する。その死に疑問を抱いた編集者・中田秋子、ルポライター津久見伸助。別々の道から坂井の死を辿る二人の目線で物語は進み、やがて意外な結末へ行き着く。

書いてしまえはそれだけの話なんですが、最初は見当外れと思われた中田秋子、津久見伸助が辿る道が少しずつ事件の真相、背景に近づく様子が第三部までに書かれている。なかなか交差しない二人の推理が気になりつつ第四部が解決編。第四部のタイトルページにはそっと読者への挑戦らしきものが添えられていました。これまで数々の作品で使われている「読者への挑戦」、今回に限っては嫌味のない感じで書かれていて好感が持てる。とはいっても、全くわからずにそのまま解決編を読み進めたのですが。

第四部にはいってすぐ、あれおかしい、なんで?もしかして・・と思い至り、その衝撃は本当に久々です。私が考えていた事件とはまったく根底からして違ってくる。第四部からは、今までそっと作品の中に隠されていた違和感が表出しており、どれだけ読みが浅い読者でもおかしいと思えるような作りになっています。第三部までは耐えて耐えて情報を抑えて第四部でドカンという感じで、これは本格スキーにはたまらない。文庫版の解説では、第三部までにあるヒントがそれはもう詳細に読み解かれていてハンカチを噛みたくなるような思い。しかし、初版から創元推理文庫まで様々な改訂がされているようで、以前の方が比較的ヒントが多かったのかな。どれで読んでも私は同じ読後感に至ったでしょうが。ああもういっそ爽快なまでに「やられたっ!」というミステリは久しぶり。私の少ない読書歴の中で本格やられたランキング上位です。中町信さんの作品にはまだまだ傑作があるようなのでこれからゆっくり楽しみたいです。
2007.05.21 Monday 10:02 | posted by ソラチ
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虚無への供物/中井英夫

評価:
中井 英夫
講談社
---
(1974-03)
意味という病に囚われて
反推理小説?!
この3分の2の長さなら…

わたしの特技は速読と流し読みです。しかし、時々速読できない本がある。記憶に新しいところでは小野不由美の「屍鬼」で、あれもかなりの時間がかかりました。
そして本書。“四大奇書”として名高いだけではなく、数々のミステリファンを魅了し、多くの推理作家達が傑作としてあげている「虚無への供物」、意気込んで読み始めたものの、最初の1ページで足が止まりました。

まず、冒頭の時代描写、街の描写がさっぱり意味がわからない。これはマズイ。ハードルがかなり高い。森博嗣風に言うなら、第一級警戒モードで防火シャッターががしがし閉まる感じ。ナマケモノゆえに身についた流し読みでは読めません。泣く泣く意味のわからない単語は辞書を引き引き読みましたが、事件が起きて推理合戦が始まってからは、普通に読めて安心でした。「ドグラ・マグラ」とは大違いです。それでも1週間以上かかりましたか。

氷沼家とその周辺を舞台に、心臓麻痺、ガス中毒、服毒自殺と他殺とは断定できない事件が発生する。しかしいずれも現場は密室。事件のたびに推理合戦を展開する関係者たち。「薔薇と不動と犯罪の神秘な妖かしに彩られた四つの密室殺人は、魂を震撼させる終章の悲劇の完成とともに、漆黒の翼に読者を乗せ、めくるめく反世界へと飛翔する」という紹介文はちょっと大げさな気が。。

事件後に展開される推理合戦はなかなか読むに厳しい。特にゲイバーで展開される4人の推理劇はつらかった。序盤はむむむと思いながらも、第4章からは一気に読むスピード、面白さが加速します。しかし、殺人かどうかわからない事件(事故か?)というのは面白い。こういうのは多分わたしは初めてですね。犯人の意図とは違う風に効果を発揮する伏線、こんなはずじゃなかったのに系の展開も大好きです。癖になりそうだ。斉藤某の声音を使ったトリックにはホントかよとツッコミ入れたくなりますが、事件のひとつひとつに余裕がたっぷりあり、どんなに作中の関係者たちが主張する推理を聞いてもなお読者にはその事件について検討する余地が残されている。思考させられるのが嫌ですね。むしろミステリファンにとってはそれこそが醍醐味なのですが。

結局のところ、何がアンチミステリなのかよくわからなかったのですが。途中までは文句なしにミステリでしたし。しっかりとした答えが出されていないからなのか、それとも終章で人死のある推理小説から一気に時代背景や犯人のバックグラウンド、内面に迫る展開を迎えるからなのか。どちらにしろ“虚無への供物”というタイトルは非常にうまくフィットしていたし、ミステリとして楽しみましたが、「文句なしの傑作だ!!」と言えるほど読みきれていない感じ。わたしの場合、これは年イチくらいで再読、再々読しなければ理解するまでに至らない気がする。「クラインの壺」同様の課題本になりました。

さて、積読本にはまだ「匣の中の失楽」が残されていますが。アンチミステリの何たるかを理解するには「匣の中の失楽」がいいらしいですし。だからといって、とっつき易いと言われた「虚無への供物」でこの難易度。しばらくはたらたら読めるミステリが読みたいですね。
2006.09.20 Wednesday 10:44 | posted by ソラチ
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