ながし読み日誌

文庫で読書。最近はハードボイルドに傾倒気味です。。
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2010.04.07 Wednesday | posted by スポンサードリンク
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行きずりの街/志水辰夫

評価:
志水 辰夫
新潮社
(1994-01)
懐かしいバブル絶頂期の東京
主人公に魅力なし
全部主人公のせい?
かつて私には、ハードボイルドは大嫌いだ、と公言していた恥ずかしい過去がありましたが、高村薫、北方謙三、稲見一良、佐々木譲などの作家、作品に出会って前言撤回。今ではハードボイルド大好きです。しかし、久々にうわーっと思った作品が今作。これはキビシイ。この作品をひと言で言い表すなら「男の夢」、こういうハードボイルドは本当に苦手だ。

十数年前、生徒との結婚がスキャンダルとなり教職を追われ、田舎で塾の講師をしていた波多野は、行方不明となった塾の教え子を探して再び上京する。そこで待っていたのはかつて自分を学園から追放した人間たちだった。

↑のamazonレビューも結構厳しくてびっくりですが、有名タイトルなのでとても期待していたのです。しかし、上記の通り、主人公の魅力がない。登場する女性は全て主人公に惚れていて、暴力沙汰も多く書かれて、最後には主人公が暴力で勝利する・・みたいな。教え子を保護し、教師としての信頼を取り戻し、悪を滅ぼし、愛も取り戻す。アメリカ映画の主人公のようでした。確かアーノルド・シュワルツェネッガーの「トゥルーライズ」が失った子どもの信頼と妻の愛を取り戻す作品だった気が・・。

どうして主人公なのに格好良いと思えないのか。例えば同じハードボイルドでめちゃくちゃ格好良いのが北方謙三の「三国志」。北方三国志の中でぶっちぎり格好良いのが張飛でした。美形の男前なら周瑜だったり、イメージ的には趙雲だったり馬超だったり別のキャラクターがいますけど、張飛が格好良く書かれているのは多分北方三国志が一番。張飛には美女とは言えない奥様がいて、しかしその奥様との愛もめっちゃ羨ましいものだった。張飛が格好良かったのは、彼の生き方が格好良く書かれていたことと、周囲に居る人間や彼に関わる人間が、張飛を好ましく思っていたからだ。一方、今作では、教え子との恋愛の賛否を無視したとしても、彼の生き方が格好良いと思えないし、女性たちが彼を愛する理由もわからないし、彼を評価する人間も少ない。居てもその理由がわからない。結局のところ共感できない部分が多かったのか。

物語は、行方不明の教え子の後ろに見え隠れする男が誰なのか追ううちに、かつて在籍した学園を巡る大きな事件に行き当たる。アクションあり、ミステリあり、恋愛要素ありで設定なら文句なしに面白いと思うのですが。。。何か別のメディアで、別の人間が演出したものでみるとまた違うのかもしれないと思いました。映像化とかされているのかな。

JUGEMテーマ:読書
2008.10.28 Tuesday 00:03 | posted by ソラチ
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奪取/真保裕一

映画「ホワイトアウト」は見ましたが、真保裕一の作品を読むのは初めて。文庫では上下巻の2冊に分かれています。

悪質な消費者金融で多額の借金を背負ってしまった友人を助けるため、ATMを狙った偽札作りを始める。ヤクザに騙され追われ、逃げて隠れて名前も変えて、まっとうな人生を捨ててでも復讐とより完璧な偽札を作るために全てを賭ける。偽札造りに立ち向かう男たちの友情と闘いを描いたクライム・コメディ。
評価:
真保 裕一
講談社
¥ 750
(1999-05)
クライム・ノベルの最高峰
なかなかやるな〜
大満足。

評価:
真保 裕一
講談社
¥ 750
(1999-05)
2冊読ませて、ダジャレ落ち・・・・・
クライム・ノベルの最高峰
犯罪をコミカルに描いたエンターテイメント

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2008.08.06 Wednesday 20:56 | posted by ソラチ
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ナラタージュ/島本理生

評価:
島本 理生
角川書店
¥ 1,470
(2005-02-28)
恋愛小説らしい
面白かったよ?
たいした事ないことをおもしろくかける人
発売された当初から、角川の特設WEBサイトを見た時から、ずっとずっと読みたくて、文庫化を待ったけれど、2年も待ってようやく待ちきれずに買いました。もう少し待てば文庫化されるんだろうけど。。。

恋愛小説はこれまで5本の指で足りるくらいしか読んだことがなく、他人の恋バナなんてどうでもいいだろう、とどこかでタカをくくっていた部分もあったのですが、プロローグのセリフから一気にやられました。ネタバレになるので書けないけれど、書きたいなあ。。4ページ後半のセリフです。その言葉に大きく共感しました。本編が始まる前から心奪われて読んだ作品は本当にこれ以上ないってくらい正統な恋愛小説だった。

演劇部の後輩の卒業公演に参加することになった泉は母校を訪れ葉山先生に再会する。ずっとかかえていた想いを抑えて卒業したはずなのに、部活の練習を通して会ううちに、先生への想いが募ってゆく。

恋愛小説の評価なんて、きっとどこまで主人公に共感できるか、またはどれだけその恋に憧れる事ができるのかなんでしょうが、この作品は泉と葉山先生を通して、自分の過去の思い出を見ているような、そんな感じでのめりこめました。共感できなかったらきっと辛い評価になるのかもしれません。

冷静に考えると、葉山先生にも泉にも苛々しながら、なんでこうストレートに行かないんだ!!と思う部分もすごくある。例えば妻も愛人もいる男性が二人とも同じくらい好きなんだ、と言うのを傍から眺めるような、そんな嫌悪感も実はある。ただ、恋愛中の主人公の想いだったり言動がとてもリアルで、キャラクターよりも言葉、情景が残る作品だった。それくらいキャラクターの個性は重視せずに読んでしまった感じ。

カドカワのサイトで著者が「ずっと心に残る恋なら、過去ですら終わったことではないのだと感じてもらえたらうれしいです」と仰っていましたが、そのとおりでした。彼ら彼女らの選択には、賛否あるだろうけれど、あの選択でいいんだとわたしは思います。葉山先生のような男性とは絶対に幸せになれないだろうけれど、思わせぶりな、あんなこんな出来事があったら泉でなくても恋するはず。ただ、幸せにはなれないだろうなあ。

小川洋子さんの紹介文「封印したはずのあの痛みを、よみがえらせてしまう小説」、この作品をいいと感じるひとはきっと、この作品の後ろに自分の恋愛だったり思い出だったりを見ているんだろうな。懐かしい思いをさせてもらって十分に堪能したので恋愛小説はしばらくいいや。やっぱり、血みどろのミステリだったり、歯の浮くようなセリフが飛び交うハードボイルドの方が好きだ。
2007.07.19 Thursday 14:49 | posted by ソラチ
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後宮小説/酒見 賢一

評価:
酒見 賢一
新潮社
¥ 500
(1993-04)
とりあえず読んでみて〜!!
清清しい大嘘ツキ
モチーフではなくてテーマがファンタジー
まじょさんのブログで紹介されていて、そういえば読んだ事があるかも・・と思い出しました。例のごとく内容はすっかり忘れてましたが昔友人に借りて読んだ、その友人に再度借りての読書です。ただ、アニメ化されていたのは知らなかったー。公式サイトを見る限り結構昔のアニメらしい。読書でしか知らなかったので今回初めて公式サイトでイラストを見て、ちょっとイメージが違ってびっくりでした。

時代も国もわからないけれど素乾国というおそらく架空の国(中国っぽいイメージ)で、皇帝が変わる新しい時代。後宮の宮女として集められた銀河が主人公。田舎の出で真っ直ぐな銀河が若き皇帝と出会い、宮女としての教育を受け、やがて国を揺るがす乱に翻弄される彼女の生き様を描いた作品です。

元来ファンタジーというと、ゲームのRPGでよく利用されるような、あからさまな架空の世界が舞台だったりしますが、この作品に至っては素乾国という国が本当に実在していたかのように描かれてますし“科挙”みたいな言葉も普通に使われてませんし、某大陸をやすやすとイメージできてその分リアリティがあるのです。解説で矢川澄子さんが書かれていたように「シンデレラと三国志と金瓶梅とラスト・エンペラーの魅力を併せ持つ」作品です。金瓶梅はよく知らないですが。

さて、まずは銀河が宮女としての教育を受け皇帝に会うまでの過程は、生々しくもなく、難しすぎもせずわりとすんなり読めます。ただこれをアニメでどう描くんだ??という疑問はありましたが、それは難易度高そうだ。後宮哲学のようなものも面白いですし。そして皇帝に仕え乱が起きてからは、事象を追うだけでもドラマチック。しかし、まるで歴史書を読んでいるような客観的な文体がドラマ部分をぎりぎりまで抑えている感じがしてドカンと感動の嵐という風ではなかった。これは大昔に一度読んだ時にも感じた事で、もっともっとドラマチックに描くこともできたんだろうにと思います。他のブログや書評を見るとアニメを見て読むと読後の印象が本当に違うっぽい。やはりアニメとの相乗効果が大きいのかな。ライバルとして一緒に教育を受けてきたセシャーミンや紅葉が一緒に戦ったり味方になったりそういう部分をもう少し厚く読みたかった。やはり時代小説はドラマチックに読みたいものでその辺りが残念でした。でも面白いや。
2007.04.20 Friday 13:29 | posted by ソラチ
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ハサミ男/殊能将之

評価:
殊能 将之
講談社
¥ 770
(2002-08)
余分な詮索はいらない。
面白かった!
がっかり・・・

美少女を絞め殺し首にハサミを突き立てる連続殺人。「ハサミ男」と呼ばれる犯人が3人目の犠牲者として目をつけた彼女。しかし、彼女は先に誰かに殺され、しかも首にはハサミが突き刺さっていた。第一発見者はハサミ男。本人だけは「ハサミ男」の3度目の犯行ではないことを知っている。誰が自分の手口を真似て犯行に及んだのか。メフィスト賞受賞だけでは足りないくらい抜群のミステリー。

明らかに世間ではハサミ男の第三の犯行との認識。しかも自分は「ハサミ男」な上に第一発見者。最悪なシチュエーションでいつ自分のところまで捜査が及ぶかわからないという焦燥感と、警察、ハサミ男の双方から真犯人へと迫る過程がたまらなく面白いです。しかも、調査の過程でも日課となっている服毒自殺を繰り返すハサミ男。警察につかまるという恐怖心は一切なく、社会に対する関心も執心することもあまりないその生活ぶりやアルバイトの様子も興味深い。

そして何よりオチが凄い。とてもじゃないがネタバレになるので書けないが、“叙述モノ”は大好きです。私は最後まで推理も予想もできずに驚いたので満足。でもこれって確か豊川悦司主演で映像化されているけれど、これ映像化できるのか!?

乖離性人格障害って森博嗣が好んで使う手段だけれど、数ある多重人格モノに比べて、今作はさりげなく、しかも当たり前のように使用していて、その人格障害も事件には何の影響も及ぼさない(実際のところ警察の目をそらすひとつの要因にはなっているかも)ところも凄いと思いました。人格障害を持っているというだけでそれ以上でも以下でもない。事件とは関係ない。容易に動機とか色んなものに結び付けそうなネタなのに、あまり深く追求せずにさりげなくしかし当然のように書かれている。そんなこだわりのなさが綿密に計算されたものなのか作家本人天性のものなのか。天性のものだったとしたら、この作家の作品もっと読みたいなあと思いました。
2006.09.08 Friday 21:49 | posted by ソラチ
★さ行の作家 | permalink | comments(3) | trackbacks(1)
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