ながし読み日誌

文庫で読書。最近はハードボイルドに傾倒気味です。。
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2010.04.07 Wednesday | posted by スポンサードリンク
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法月綸太郎の冒険/法月綸太郎

評価:
法月 綸太郎
講談社
(1995-11)
法月綸太郎の第一短編集
面白い
図書館の冒険
とにかく面白かった法月綸太郎の短編集。新本格の作家さんだとは知っていましたが、内容は有栖川以上では?キャラクターは有栖川有栖の方が好きですけど。

「死刑囚パズル」「黒衣の家」「カニバリズム小論」「切り裂き魔」「緑の扉は危険」「土曜日の本」「過ぎにし薔薇は・・・」の実に7作も収められている短編集。豪華だ。あとがきで短編集のタイトルの由来について少し触れていますけど、純粋に嬉しいですね。その由来だけで法月綸太郎の好感度大幅にアップ。

まず第一話「死刑囚パズル」は題材が重い。けれど、一番関心を持って読めました。今まさに死刑が執行されるという瞬間に毒殺された死刑囚。そのなぜ、は面白いものでしたが、それ以上に死刑囚とその周囲の人々の関係、気持ちが上手く書かれていて、長めの分量もあっという間でした。実際の死刑執行はどんなものなのか知らないんですが、それでも違和感や不自然さを感じなかったら、それがリアルなんだなあとぼんやり思いながら読みました。

「切り裂き魔」「緑の扉は危険」「土曜日の本」「過ぎにし薔薇は・・・」の4作は図書館シリーズ(なのか?)。綸太郎が想いを寄せている司書からもたらされる謎の数々。例えば、本の1ページ目が切り取られる事件、本の天井部分を覗いてランダムに本を借りてゆく女性の謎など、不思議なものばかり。また、「土曜日の本」はかの有名な“鮎川哲也と五十円玉二十枚の謎”の解答編として書かれた作品らしい。そのテーマは有名な物ですが、解答編を読んだのは初めて。色々な作家についても書かれているので、楽しいですが、競作というだけあって他の作家の作品も読みたいですね。

「黒衣の家」は、身内の不幸の話ですが、「雪密室」と今作を読んだ限りではあまり幸せな親戚関係ではないように見えます。その分、図書館にまつわるほのぼのとしたミステリが素敵だ。重さと柔らかさを適度に使い分けたこのシリーズ、そろそろハマってきたかも。

JUGEMテーマ:読書
2008.11.13 Thursday 19:44 | posted by ソラチ
・ 法月綸太郎 | permalink | comments(3) | trackbacks(1)

雪密室/法月綸太郎

評価:
法月 綸太郎
講談社
(1992-03)
法月氏全長編レビュー
標準的かなと。
法月警視自身の事件
10/6あたりに読了。9月下旬から10月上旬は結構本読んでたんだけど、仕事に忙殺されていたことと無双新作のせいで、笑うくらい読書量落ちました。ストッパーになっていた作品もあったんですけど、どれかはヒミツで。少なくともこれではない。想像以上に読みやすかった探偵・法月綸太郎初登場なのかな?

探偵・法月綸太郎はパパが警視で、難しい捜査の時に息子に頼るスタイルであることしか知らなかったんですが、父子ふたり暮らしの理由だったり、父が息子を非常識なまでに頼りにしている様だったり、実は綸太郎がミステリ作家だったりが書かれていて、初の法月綸太郎シリーズ読書としては、なかなか予想外なイントロダクション。

田舎の山荘への招待状が届き、法月警視は単独で山荘へと向かいますが、そこに居た面々はそれぞれ同じように招待状を持って、ある意図で招かれた人たちだった。まあ、こういうシチュエーションは、ミステリ系のアニメでもよく見られるようになったメジャーな設定ですね。最初から怪しさ満点の離れで事件は起きますし。残った人々も皆アヤシイ。

例えば、TVドラマの二時間ミステリでは、登場人物から犯人の見当がつくことが多いですが、今作も登場人物だけ見て動機や犯人を想像するのは難しくない。どうやって、という謎についても、今ではもう推理小説を知っている人であれば誰でも思いつきそうなもの。実際やってみてどうなのかはわからないですが。ただ、登場した人間の書き方はとても好みでした。法月警視の息子に対する全幅の信頼が不自然だと思うんですが、それはファンにとって許容範囲なのか、それともそれだけに値する過去があったのか。

ところで、前回の「密閉教室」は、ミステリファンの在り方に対して問題提起しているように(私には)見えましたが、今回は政治力、権力を持った人に対して法月警視が一矢報いるような場面がありました。いろいろ自分の考えや問題意識を作品の中に埋め込んでくるのだな・・というのがこれまで読んだ法月綸太郎の印象。これからどういう方向に展開するのか、とりあえずシリーズ読み続けていきます。次は「誰彼」ですけど、積読本にないのだな。「頼子のために」はあるんですが、順番どおりに読まなきゃダメかなあ。

JUGEMテーマ:読書
2008.10.24 Friday 18:01 | posted by ソラチ
・ 法月綸太郎 | permalink | comments(2) | trackbacks(1)

密閉教室 新装版/法月綸太郎

評価:
法月 綸太郎
講談社
(2008-04-15)
「ノーカット」、そして「新装版」へ
机と椅子が消えた教室に、死体と遺書が……
ミステリーランドと短編以外は読んだことがない、ほぼ初読み。ただ、ミステリ好きには避けては通れないでしょう。本格なのは確かでしょうが、どれくらいに位置する本格なのか想像もつきません。法月綸太郎のデビュー作です。

教室の真ん中で血溜まりの中、遺体で発見された同級生。しかし、その教室は密室で、しかも48組あった机と椅子が消えていた。推理小説マニアの工藤は、同級生の死の真相を明かすため、捜査を始める。

教室で亡くなっていた彼の死は自殺なのか殺人なのか、なぜ机とイスが消えたのか、教室はなぜ密室状態だったのか。机とイスがどう、密室がどうというよりも、主人公に対して異常とも思える硬質な態度をとる担任だったり、何をどこまで知っているのか底知れない不思議なポジションの森警部、主人公と一緒に密かに捜査する同級生たちの駆け引きや立ち回りが面白かった。

緩やかに飽きない程度に物語が進展する中、インタルードは本当にびっくりしました。まじで!?と何度も文章を辿りましたし。こんなあっさり・・みたいな。こういう驚きはポイント高いですね。解決編の後半、推理小説らしく展開するのかと思いきや、女の子の捨て台詞のような告白に再びびっくり。この小説は本格推理小説でありながら、推理小説ファンの在り方や矛盾を驚くほど鋭角に切り取っているような印象を受ける。「消化不良」との感想をよく見ますが、この結末で十分でしょう。これがデビュー作だという事が何より凄いですね。

正直な感想は、同じデビュー作なら綾辻行人「十角館の殺人」の方が余程面白かった。まあ、十角館には思い入れがありますし、デビュー作という点では京極夏彦のような、嘘だろうと思うようなクオリティの作品もあるので一概に比べられないんですが、新本格つながりで、綾辻行人みたいな作品なんだろうか、とドキドキしながら本を捲ったわけですから。本格ミステリとして面白いので、今後読み続けたくなる作家でした。次は「雪密室」を読みたいんですが、家にないのだな。順番はあまり関係ないと教えていただきましたので、あるものを次々と消化していきますか。

JUGEMテーマ:読書
2008.09.29 Monday 17:47 | posted by ソラチ
・ 法月綸太郎 | permalink | comments(4) | trackbacks(1)

怪盗グリフィン、絶体絶命/法月綸太郎

評価:
法月 綸太郎
講談社
¥ 2,100
(2006-03)
ティーン向けのみにしておくには勿体無い
冒険してもいい頃。
やっぱり本格
法月綸太郎ここまで面白いか!!! 法月作品自体初読みですが、まさかミステリーランドが初めて読む作品だとは思ってもみませんでした。それぐらいずっとずっと読みたかった作家です。このクオリティはたまらないですね。ジュブナイルですらこれほど楽しめるのだから大人を対象に書いたミステリだったらどれだけ素晴らしいのか。もう今から楽しみでなりません。

ニューヨークに住む怪盗グリフィンはメトロポリタン美術館に展示されている贋作のゴッホを本物のゴッホに取り替えてほしいという奇妙な依頼を受ける。しかし、それはその後に控える大いなる陰謀への罠だった。

ある小さな国の命運を揺るがす事件の渦中に放り込まれる、というよりもむしろ強制的に当事者にされる怪盗グリフィン。事件そのものの規模も大きく、小さな島国の特産品をはじめとする歴史も興味深く、さらに怪盗グリフィンが義賊であるという魅力。そして騙し騙される攻防のハラハラドキドキ感。子供でなくとも胸踊ります。呪術ネタも個人的には非常に魅力的でした。小学生くらいが読むと少し難しいかもしれないなあと思いながら読んでいましたが、同じミステリーランド「ラインの虜囚」のあとがきで田中芳樹さんが、子供に背伸びをさせるような作品を、、と書かれていたのを思い出しました。怪盗グリフィンの活躍を見る喜び、憧れ、子供の頃にこの作品に出会ってそういう喜びを感じたかったなあと。

舞台になるのはカリブ海のボコノン島。国自体創作なのでしょうが、ピーナッツの逸話もどこまでが創作なのかな、と思いはしたものの深くは追求せずに楽しめる。地図を開くようなそんな興ざめな事はするつもりもなくなるような冒険譚でした。これは既読のミステリーランドの中では1、2を争う面白さです。風呂敷は大きければ大きいほど面白く、しかもうまく畳まれているならなおよろしい。ちょうど近所の古本屋の閉店セールがやっていたので、明日にでも法月綸太郎の作品を探して見よう。

そういえばショックなことがひとつ。今回手に取ったミステリーランドには、ビニールのブックカバーがついていました。不審に思って書店で他のミステリーランドの作品を見たところ全てにビニールカバーがついているじゃないか!!いままで買った本にはどれひとつカバーついてねえよ。今までの分も欲しいよ、カバー。確かに汚れやすいかもと思ったけど、何で途中からカバーつくかな。どうせなら最初からつけてくれ。
2007.05.23 Wednesday 23:52 | posted by ソラチ
・ 法月綸太郎 | permalink | comments(6) | trackbacks(1)
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