ながし読み日誌

文庫で読書。最近はハードボイルドに傾倒気味です。。
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2010.04.07 Wednesday | posted by スポンサードリンク
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DDD 2/奈須きのこ

評価:
奈須 きのこ
講談社
¥ 1,575
(2007-08-10)
難解、奇怪、愉快、痛快
野球をしていたころを思い出した。
一巻より・・・
想像以上に面白かった、DDD2。身体の一部に異常を来たし、日常生活または他人の生命を脅かす異常症感染者。“悪魔憑き”と呼ばれる彼らを追うもの、追われるものの話です。前作を読んでいなくても設定がわかるような、または前作の内容をすっかり忘れていてもしっかり思い出せるような易しい作りになっていました。ありがたい。

今回登場するメインキャラクターは、“シンカー”と呼ばれるピッチャー。投球で人様の頭をかち割るという想像すると身が震えるような技を持ち、その投球は直角に二段階変化するという物理の法則を無視した超魔球。“シンカー”という魔球使いに天才スラッガーが立ち向かうというドキドキと、野球ならではの青春ドラマも入り混じり、野球ファンで直球勝負が大好きな私は大変満足な一冊でした。

野球部崩れや様々な理由でプロになれなかった野球好き達が参加するピッチャーとバッターに分かれた一対一の賭けゲームのシステムも非常に面白い。アンダーグラウンドなシステムではあるものの純粋に野球が好きだけど草野球ができない、でも野球は好きで好きでしょうがない。そんな人たちが登場する作品。いやー、楽しくてたまりません。

片腕のない主人公の青年(少年?)とその仲間たちの話がメインで、天然系後輩の女の子・ツラヌイちゃんがなんとまあ良いこと!! 物語はやはりキャラクターが全てです。主人公とツラヌイちゃんのスキンシップが今作の見所でもある。ふと思いましたが、DDDシリーズは、西尾維新の化物語に設定やら印象が近いかも。悪魔憑きのような異常な設定だったり主人公の設定がそこはかとなくかぶっていたりツラヌイちゃんのような暴走系の後輩がいたり、圧倒的なパワーと暴力に満ち溢れた赤い女のような存在が居たり。それは別シリーズだけれど。共通点こそ多いものの絶対的な違いは文章で、どちらが良い悪いではなくそれぞれが個性的。ゆえに二番煎じのような印象がなくオリジナルとして楽しめるのだ。

作品の最後、想像していなかったような展開で終わりました。あれはいいのか・・。次を楽しみにしていいのか。今回くらいの面白さだったら次も楽しみでならないんですが。解き放たれた化物がどう展開するのか恐ろしくもあり楽しみでもあり。
2007.09.08 Saturday 00:34 | posted by ソラチ
・ 奈須きのこ | permalink | comments(0) | trackbacks(0)

DDD 1/奈須きのこ

評価:
奈須 きのこ
講談社
¥ 1,365
(2007-01-10)
”空の境界の奈須キノコ”による”空の境界”からの脱出劇
精神の破綻から異形が生まれるという、発想がすごい。
苛々

講談社BOXの装丁についてはさておき、もしかして「空の境界」以来の作品では?いきなり躰を食べられるシーンから始まって、ああ、奈須きのこの作品なんだと思い出しました。そういえば「空の境界」は再読したばかりでしたので、記憶もわりと鮮明だ。「空の境界」で感じた印象、文体、根底に流れる世界観、時系列のぐちゃぐちゃ具合が本当にそのままで懐かしいというかほっとした感じ。予想していたような期待していたような作品です。

精神病を通り越して周囲の人間に害をなすものを“悪魔憑き”と呼ぶ世界。様々な疾患を抱え悪魔憑きになった人とそれを狩る警察機関。“悪魔憑き”を収容し研究する刑務所のような病院。そこから社会に復帰した人。正真正銘、異形の者の物語。

ARMSかよ、と突っ込みたくなる序盤から中盤くらいまではまだ、さぐりさぐり読んでいて思いのほか読み進まなかったのですが、“悪魔憑き”の病院の話、久織伸也の話くらいから物語が加速しました。久織家の話のような読者へのトリックは大好きですよ。そしてどうしてもライトノベルというジャンルから並べられる事が多い西尾維新とも違った言葉遊びの数々が結構ツボです。

登場するキャラクターも淡々と地雷を踏みまくる主人公に、主人公の監察官として鬼のような美人エリート刑事、両手両足のない美少女のような少年、そして過去に陰惨な事件を起こしたバイオハザードのような主人公の妹。どれひとつとっても正常な人間は居ませんが、この並びから想像するようなくらい話ではない。本物の悪魔憑きと太鼓判を押された主人公、どこが異常なのか記憶障害以外はあまり見えないんですが。それは今後のお楽しみなのか。

今後と言えば、非常に気になるところで終わって気づきましたが、このタイトル「DDD 1」。1ってことは連続した整数が未来に続くというわけで。終わらないのかよ!! 後半になってこれどうやって終わらすんだろうとは思ってたけど、続編があるなんて気づかずに読みましたよ。タイトルなんてあまり気にせず読んでたし。とりあえず、講談社BOXのHPを見る限り来月の発売予定にはないみたい。

そういえば本の中にはしおりの他に幾つか広告も挟まっていて、映画化情報と新作ゲーム情報が。ゲームの方が奈須きのこのシナリオには関心があるもののちょっと手が出しにくそうな感じだったので、映画情報だけ。PVを見る限りまだ企画が決定したというだけの段階な気がしますが。気になる方はどうぞ。

劇場版「空の境界」:http://www.karanokyokai.com/
2007.01.24 Wednesday 12:46 | posted by ソラチ
・ 奈須きのこ | permalink | comments(0) | trackbacks(1)

空の境界/奈須きのこ

評価:
奈須 きのこ
講談社
¥ 1,155
(2004-06-08)
“空”を掴んだ手の中は空っぽ。
必要なのは妄想力
これぞ奈須きのこ!

評価:
奈須 きのこ
講談社
¥ 1,260
(2004-06-08)
ぜひ読んでみて!
中二病には2つあると思う。
修復できない世界

読了まで想像以上に時間がかかってしまいました。遅くまでお仕事している人はどうやって読書の時間をひねり出しているのでしょー。それとも本が読めない周期なのか。なにはともあれ、同人誌で発表され人気となり新書で発売まで漕ぎ着けたという本書。私は西尾維新の「クビキリサイクル」と同時期に読んだ覚えがありますが、例の如くすっかり記憶の彼方です。

世界に魔術師が存在する世界。そんな中、ごく普通のクラスメイトとして出会う両儀式と黒桐幹也。殺人の衝動を抑えきれない彼女と当然に普通であり続ける彼の、ふたりの物語です。

パラレルワールドものとしては非常に細かく設定がされていて、上下巻含めて幾つかの中編で構成されている。メインの大きなストーリーが上巻と下巻をまたいで書かれていて、なんとなく違和感を覚えますが、初出が別の版型(同人誌による公開)ということで納得。その同人誌は私は知らないんですが、おそらく各ストーリー毎に本に分かれていたのでしょう。西尾維新の戯言シリーズが、シリーズとして細かく作った設定を消化するのに精一杯な印象を受けるのに比べ、本作は上下巻でまだ設定を全て使い切らない余裕が伺えます。続編が出ているか出ていないかの違いでしょうが。その分、奥行きが広々で楽しい。

式と幹也の出会いから始まり、不思議な力を持つ人々とのバトル、そして大魔術師とのバトルを経て、閑話休題みたいな妖精の話、そしてラストは式と幹也の過去に迫るメインストーリー。大魔術師とのバトルはドキドキしながら読める力の入ったストーリーでしたが下巻の半分以上を残して終わるため、あれ?みたいな違和感があり、それを補うような妖精の話が非常に良かった。

閉ざされた私立高校。そこで、自分すらも覚えていない記憶が漏れるという事件が起きる。記憶が盗まれるのはどうやら妖精の仕業らしい。そんな中編が極上です。似たような、学園を舞台にした不思議な話は多くの作家さんが書かれていますが、これは異質。読み終わった後に「あー面白いかも」みたいな落ち着いたリアクションではなく、物凄くリアルで五感を揺さぶるような感じ。うまく説明できないですが。

妖精の話の中で語られる記憶に関する説明で面白いものがある。人が日々得る情報は膨大で、処理しきれずにパンクするのを防ぐために情報を選別して記憶する。忘却とは生命を守るためのものだ、みたいな。表現方法は少し違ったかもしれないけれど、なるほどと思える論理ですが。その論理で言えば、私の人並み外れた記憶力の悪さは、生命を侵される危機を感じた結果だ、と言う私に対して弟が放ったひと言「単に一次キャッシュの問題だよ」ああそうですか。そうですね。

閑話休題。今作は、何かの衝動に突き動かされ、自分を見失ったり、道を誤ったりする人たちの内面とそれぞれの真実やコタエが書かれていて、一作一作ひとりひとり、出会い甲斐、読み応えがあります。それくらい人の内面がこれでもかというくらい深く追求して書かれている感じ。ああ、これはわかる、みたいな部分が誰にでも1ヶ所はあるはず。ありそう。ライトノベルに分類されるのが惜しいけれど、未読のひとにはぜひオススメしたい。
2006.12.03 Sunday 22:58 | posted by ソラチ
・ 奈須きのこ | permalink | comments(0) | trackbacks(0)
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