ながし読み日誌

文庫で読書。最近はハードボイルドに傾倒気味です。。
favorite recent entries 2009

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

2010.04.07 Wednesday | posted by スポンサードリンク
- | permalink | - | -

隕石誘拐―宮沢賢治の迷宮/鯨統一郎

評価:
鯨 統一郎
光文社
(2002-03)
初長編
タブー破りの本
宮沢賢治は七色ダイヤモンドの鉱脈を知っていた!?彼の失われた第五稿にはダイヤへ繋がる何かが書かれていた。誘拐された妻を助けるために、宮沢賢治の遺した作品から、ダイヤの手がかりを探せ!

七色ダイヤモンドの鉱脈って・・・。今時、陳腐な・・と思っても鯨統一郎先生ですので、まあ、アリなのか。

タイムリミットあり、宝探し要素あり、サスペンス性あり、アクションあり、そしてエロ要素あり・・二時間サスペンスドラマの必須項目を兼ね備えたような作品でした。七色ダイヤモンドの秘密の鍵を握る奥様が誘拐され、主人公の夫が宮沢賢治の作品に隠された謎を解きながら奥様救出とダイヤ発見を目指す。その奥様が誘拐され、監禁され、あの手この手でダイヤの秘密を聞き出そうとされるんですが、その描写がタイトルからは予想できないアダルトっぷりで、通勤本にしていたことをちょっと後悔しました。周囲は気になるし、ページを捲る手は早くなるし。しかも、不必要に多いアダルト描写と、宮沢賢治の作品の謎解きが交互にくるので、そのギャップが凄い。途中から作者の意図が掴めなくなりました。絶対、この部分いらないって、と思う箇所が幾つかありましたし。宮沢賢治を題材にしたミステリとしては面白いと思うんですが、宮沢賢治が好きで純粋に宮沢賢治に関する作品を読みたい、という人にはオススメできません。二時間ドラマはやはり“湯けむり”的な要素は必須だろう!という人はどうぞ。これ二時間ドラマじゃないですが。

JUGEMテーマ:読書
2008.12.31 Wednesday 08:54 | posted by ソラチ
・ 鯨統一郎 | permalink | comments(0) | trackbacks(0)

謎解き道中―とんち探偵・一休さん/鯨統一郎

評価:
鯨 統一郎
祥伝社
¥ 650
(2006-02)
一休さんのイメージを徹底的に損なう駄作!
コンビ復活!
↑amazonレビューは賛否あるようですけど、鯨統一郎のゆるーいミステリなのでこんなものでしょう。作者のこれまでの史実に対するアプローチを見て大丈夫なら読めると思うのですが。私はわりと楽しめました。「とんち探偵・一休さん 金閣寺に密室」の続編です。

茜の両親を探す旅に出た一休と新右衛門、茜の三人。難波→大和→伊勢→尾張→駿河→伊豆→相模→武蔵の旅路で出会った謎。要求される無理難題と事件を解決し、ヒントを貰って次の地へ、というスタイル。水戸黄門のようなイメージ。

事件もそれなりに面白い題材で、首なし死体、密室での自殺、建物の消失トリックなど様々。また、知恵者の一休に吹っ掛けられる難題も、明の風景を再現して見せろ、筆に一切触れずに書を、畳の上を歩かずに襖を開けろ、蓋を開けずに箱の中身を当てろ等等。最終話の禅問答が実は結構面白かった。また、前作から引き続き片山若子さんのカバーイラストもラブリーです。「第四話 尾張・鬼の棲み家」「第六話 伊豆・鰻の寝床」は、オチやトリックは想像し易いものの話としては好きですね。どちらも家の消失トリックです。

まあ、茜のお父さん、お母さんがどうなったかについては、実のところ、歴史上のある人物が関係していて、その人物を恥ずかしながらよく知らないので、ピンとこなかったのが一番切ない。おおとか、ああとか、そういうリアクションが取れないわけです。最後に登場した旅芸人の話も、そういえば彼はどうなったんだっけ、みたいなシリーズならではのネタを楽しめない記憶力。やはり前作読了直後に読むべきだったか。今後、このシリーズが書かれるのかわかりませんが、特に目新しいネタではなくてもゆるーく読みたい。
2007.10.22 Monday 14:22 | posted by ソラチ
・ 鯨統一郎 | permalink | comments(0) | trackbacks(1)

月に吠えろ!―萩原朔太郎の事件簿/鯨統一郎

評価:
鯨 統一郎
徳間書店
¥ 620
(2006-08)
シベリヤを食べながら。 2006・12・18
名探偵なのか、詩人なのか!?
萩原朔太郎といえば『月に吠える』で有名な、大正・昭和期に活躍した詩人。彼が探偵役となり、遭遇した事件を解決してゆく連作短編集。月に吠えろというタイトルが面白い。本書を手にとってまずタイトルで笑いましたし。そして、自信に溢れ女性に弱くマンドリンを弾きながら登場するエキセントリックな探偵・萩原朔太郎にびっくり。萩原朔太郎=「月に吠える」という受験勉強レベルの印象しかないので、wikiで調べて見ると、なるほど、ミステリ好きでマンドリン好きらしい。鯨統一郎らしい歴史を題材にした大胆な作品集です。本当にこの作家は大胆な設定を作ってくるなあといつも思います。その設定に楽しめるなら今作もまずまず楽しめるでしょう。

ミステリの完成度や緻密度はともかく、例えば死者から手紙が来る謎、衆人環視の中をひとりで乗った気球で殺人、絵画の消失、人の消失など提示される謎はすべて一見不可能に見えて面白いもの。決して上手いとは言えないオチもありますが、まあそこはいつも通りのクオリティで。しかし、それぞれの事件からインスピレーションを受けて朔太郎の詩が作られるという設定も面白い。

一番印象的だったのは一話目の「死者からの手紙」、こういう設定好きです。二話目以降はすべてオチが気に入らず。「謎の英国人」はパスティーシュなんでしょうけど英国人の正体がアレだと思うと楽しめないんです。きっとあの彼は彼なんですよね(意味不明)?頑なまでに本家のイメージが出来上がっているからなのか、むむむという感じで読みました。世に沢山出ているあの御方のパスティーシュ、いつかすべて読んでやると思っていたけれど、きっと私は楽しめないや。

第三話で明かされるんですが、ワトソン役でストーリーテラーが誰なのかという謎は楽しめました。別に謎ではないんですが、第二話最後にある決定的なヒントが出るまでわからなかった。その他にも、平塚らいてう、与謝野晶子、北原白秋、竹久夢二、菊池寛などが登場。この時代のお話が好きな方は楽しめるのか、楽しめないのか。
2007.05.04 Friday 11:35 | posted by ソラチ
・ 鯨統一郎 | permalink | comments(0) | trackbacks(0)

ミステリアス学園/鯨統一郎

評価:
鯨統 一郎
光文社
¥ 620
(2006-04-12)
まるごとミステリ
いろんな楽しみ方ができる本
ミステリの面白さを知る
ミステリアス学園のミステリ研究会に入部した湾田乱人。ミステリ初心者の彼が、様々なパターンの事件を通してミステリとは何かという命題に挑むという、ミステリ初心者向け?の研究本みたいな感じ。対象が初心者なのかどうか微妙ですが、ミステリ史は勿論、ミステリのパターン、分類を紹介されているもので、小説仕立てのミステリ愛好者による研究本という印象。東野圭吾「名探偵の掟」に近い分類なのかもしれないけれど、ノリやスタイルが大きく違うので、、、。

私はミステリこそ好きだけれど、精通しているとは言いがたい、どちらかと言えば初心者に限りなく近い部類なので、あまり楽しめず。大オチもその凄さ?が理解できず。作品中では様々な作品のタイトルが例として挙げられていますが、そのほとんどを読んでいる人には賛否はさておき論争を楽しめるのでしょう。しかし、海外ミステリはほぼ未読で、買ってはいるけれど読んでないとか聞いたことあるけど読んでないとか手には取ったものの途中で諦めたとか、そういう私にはハードルが高い。きっとディープなミステリファンに比べるとこの作品を半分も楽しめていない感じがする。

主人公が入部してすぐに問われる「君は本格派か?」、ミステリアス学園ミステリ研究会・通称ミスミス研では本格派は少数。それがまず意外。ミステリ好きなら本格好き多いだろうと思っていたのは、わたしの読書傾向と普段ネットで見るサイト、ブログがミステリに大いに傾いているかららしい。しかし、ミステリには本格以外にも様々なカテゴリがあるようで、島田荘司好きとはいえトリックやロジックよりエンターテイメント性だったりドラマパートの面白さ、演出、意外性なんかにころっと傾倒する私は本格好きとは言えないのかも。ハードボイルド好きですし。パズルミステリ苦手ですし。でも島田荘司は好きなんだ〜!!

仮にミス研に所属して論争を楽しめる読書家であるならもっと違った楽しみ方ができた作品だったと思います。しかし、まだまだ勉強が必要というような私のような本読みには、今作で紹介されている数々の名作をまずは読め、という感じで。ミステリは好きだけど名作は何から手をつけていいのか・・と困ってもいたのでまあ紹介されている作品を端から読みますか。なお、巻末におまけで付いていた「本格ミステリ度MAP」が非常に面白い。私の場合は島田荘司付近に点在する作家を好んで読んでいることが判明。ミステリファンには一度見てみてほしいオマケでした。
2007.05.02 Wednesday 20:07 | posted by ソラチ
・ 鯨統一郎 | permalink | comments(0) | trackbacks(0)

新・世界の七不思議/鯨統一郎

評価:
鯨 統一郎
東京創元社
¥ 735
(2005-02-24)
場末のバー“スリーバレー”で展開される歴史バトルを描いた作品で、「邪馬台国はどこですか」の続編。今回の登場人物はいつもどおり雑誌ライター宮田六郎と歴史学者の早乙女静香、そしてペンシルバニア大学教授のハートマン、バーテンの松永。この小さなバーで主に展開されるのは宮田六郎による珍説とそれをありとあらゆる言葉で罵倒する静香。それを怯えながら冷静に見つめるハートマン教授が面白い。歴史バトルの様相は前回よりパワーアップしています。

今回は「アトランティス大陸の不思議」「ストーンヘンジの不思議」「ピラミッドの不思議」「ノアの方舟の不思議」「始皇帝の不思議」「ナスカの地上絵の不思議」「モアイ像の不思議」の7話。話の合間にカクテルの講義やおつまみに関するちょっとした話も挟まれていて飽きずに読めました。その分前回より楽しく読めたかも。

人によって面白いと感じるポイントは違うと思います。実際先に読んだ人には「ストーンヘンジの不思議」が凄い、と言われてましたがそこまで衝撃は受けなかったし、一番面白く読めたのが「始皇帝の不思議」、大オチは眉唾モノだけれど始皇帝の人となりの解釈や「不老不死を追求する人間が自分の墓なんて作るわけがない」という主張も非常に納得。始皇帝の墓は13歳の時に作られ始めたらしいので、そういう慣わしがあったのかもしれないけれど。歴史上指折り数える暴君のように書かれる事の多い始皇帝を「実は善人だったんじゃないか」説も面白いです。

どの作品も無知の極みで読んだのでわりと楽しめたんですが、それぞれの謎に対して前知識がある方が読むとどうなんでしょう。あくまでも小説なので読めるんですが、そうでなければ結構キビシイかも。と、思わせないように静香と六郎の舌戦やバーで出てくるカクテル、料理のささやかな薀蓄が程よく入っていていい。司馬遼太郎先生の名前の由来も知らなくてびっくりでしたし。
2007.03.01 Thursday 11:18 | posted by ソラチ
・ 鯨統一郎 | permalink | comments(0) | trackbacks(0)

タイムスリップ明治維新/鯨統一郎

評価:
鯨 統一郎
講談社
¥ 730
(2006-07-12)
歴史の面白さを満載

「タイムスリップ森鴎外」の続編です。「タイムスリップ明治維新」、今回は前回登場のうららちゃんが明治維新直前の波乱な時代に飛ばされます。

普通の歴史の流れをオリジナルとするなら、改ざんされてできてしまうのが支流。うららが飛ばされた時代はまだ江戸。大政奉還前のエネルギッシュな時代です。タイムパトロールから逃げてきた未来の犯罪者が歴史を変えまくります。支流であまりにもオリジナルの歴史から逸脱すると、支流は支流のままで独立し、飛ばされてしまったうららは戻れなくなる。タイムパトロールの人間と共に、元の世界に戻るため歴史を変えようとする犯罪者を敵に、明治維新を成功させる。そんなお話。

敵は次々と史実を変えようと暴挙に出ます。リンカーンが来日したり、ノーベルを連れてきてダイナマイトを開発させようとしたり。。。桜田門外の変や池田屋事件など数多の史実をなるべく忠実にこなそうと奔走する様子が一番の見所でしょうか。著者の「邪馬台国はどこですか」を堂々と広告されていて失笑。出版社違うんですがいいのですかね。さらに、うららの初体験や恋愛事情もテーマのひとつなのか。これはいらんと思いました。しかし、まあこんなもんかな、みたいな軽い作品。相変わらず読みやすいけれど、前作のもりりんの方が魅力的だった。

ひとつ難を言えば、あまりにも有名な高杉晋作の辞世の句。

おもしろき事もなき世をおもしろく
 住みなすものは心なりけり

実際に詠んだのは上の句だけのようですが、この名句が文庫版ではページをまたいでいて興ざめ。いい句なんだけどなあ。明治時代にはあまり明るくないので、その時代の勉強にもなりなかなかいいかもです。しかし、若年層を意識してか、うららの恋愛事情はかえって年齢層高いファンには減点ポイントかもしれません。タイムスリップするまでの過程で読む気半減してましたし。実際に明治維新のさなかの描写は面白いですが。今回は前回ほどの面白さではなかったので次回に期待。そういえばやっぱり出てこなかった、六郎と静香。このシリーズには登場しなさそうだ。
2007.01.14 Sunday 01:36 | posted by ソラチ
・ 鯨統一郎 | permalink | comments(0) | trackbacks(0)

タイムスリップ森鴎外/鯨統一郎

評価:
鯨 統一郎
講談社
¥ 730
(2005-07)
文句なしに面白いです
(^^;)←コレがモリリンの顔
面白いけれど…どうなんだろう?

面白いですね。これは。
予想以上でした。
鯨統一郎の作品では今のところかなり上位です。
今年に入って(まだ数日ですけど)読んだものではベストですね。
いやー、まじおもしろい。そして読みやすい。
read more...
2007.01.12 Friday 23:23 | posted by ソラチ
・ 鯨統一郎 | permalink | comments(4) | trackbacks(1)

とんち探偵・一休さん 金閣寺に密室/鯨統一郎

文庫版で読みましたが、可愛い表紙でしたので、amazonに画像がなくてblogに表紙を載せられないのがむかつきますね。鯨統一郎の作品はこれで3作読みましたが、今のところ一番面白い。今まででは一番お気に入り。

時は室町、金閣寺の最上層で「首吊り死体」となって発見された足利義満の死の謎に一休さんが挑むミステリ。足利義満が亡くなっていた部屋は密室でした。時代モノで密室モノです。

時代ものが大好きなのでこれはかなりストライクゾーンでした。しかもミステリだし。室町時代にそれほど思いいれも知識もないですが、政変や世継ぎに関わる裏のあれこれ等は野次馬根性で大好きですね。完全に愛読書の氷室冴子「なんて素敵にジャパネスク」の影響だ。

一休さんといえばアニメでしか記憶にないですけれど、一休さんが事件に関わっても不自然ではないような展開でしたので、“一休さんかよ・・”みたいな不安はおおむね問題なし。一休さんにまつわるエピソードも数々登場しますが、「このはしを渡るべからず」はちょっと不自然な登場だったような気が・・。また、和尚さんの居ない間に壺に入った水あめを食べてしまう狂言「附子」だったか落語だったか有名な話が登場しますが、あれは一休さんの話なのかな??とにかく既知のエピソードがふんだんに盛り込まれていてそれだけでも結構楽しいですね。この話って本当のところどうなんだと調べたくもなりますし。

日本国王を名乗った足利義満。名政治家ですが、今回は中国の三国志に登場する董卓よろしく酒池肉林ですよ。足利義満ってそんな人だったのか?よく知らないんですが。部下の妻女を取り上げて自分のものにしたり、結構おそろしい書かれ方されていました。中盤まで一休さんのほんわかエピソードと足利義満の酒池肉林が交互に書かれるので、その落差も激しいです。そんな中、夢枕獏の安倍晴明のように爽やかに登場した世阿弥。歴史上の人物ひとりひとりが小説の中で生きていて、この人は本当はどういう人だったんだみたいな好奇心、探究心が刺激されます。

もしも足利義満の死が密室殺人だったら、という仮定であがる容疑者が、将軍・足利義持、その弟・義嗣、細川頼長、斯波義将、山名時熙、一色満範、そして時の帝・後小松帝と錚々たるメンバーです。かつてこんな有名人ばかりの容疑者リストがあったか。そして探偵には一休、新右衛門さん、茜という少女、世阿弥。豪華です。オチは実際に考えるとうそーという内容でしたが、まあいいや。という感じで。いわゆる密室トリックのようなミステリの王道な話はこの作家さん弱いですね。そこが勝負どころではないのでいいんですけど。

そういえばナビゲーターとして、「邪馬台国はどこですか」のバーにいたキャラクターが登場します。ここまで使いますか、というくらいそれはもう時代を超えての登場。こういうこだわり好きです。この一休さんの探偵譚には続編があるらしいので、文庫になっていたら読みたいですね。
2006.10.12 Thursday 11:35 | posted by ソラチ
・ 鯨統一郎 | permalink | comments(2) | trackbacks(0)

新千年紀(ミレニアム)古事記伝YAMATO/鯨統一郎

鯨流「古事記」です。

そもそも古事記は名前しか知りません。
ヤマトタケルについても、熊襲を単身女装して討ったとか、船からの襲撃の際に船先で何かしていたくらいの無知で本書に臨みました。鯨統一郎のオリジナルな部分が多いらしいので、私は阿刀田高「たのしい古事記」あたりから勉強し直した方がいいかもしれません。

まず、1ページ目に登場する固有名詞“高御産巣日神”と“神産巣日神”、最初はルビがあったけれど2度目からは本の常識通りルビなし。読めねえ。これはキビシイと思ったら本編に入ると難しい名前はカタカナで表記されたので、想像以上に読みやすく取っつきやすいです。

本編は海幸彦と山幸彦兄弟の有名な逸話から始まります。あれ、天照大神の話から始まるのではなかったのかと思いましたが、あれは日本書紀か?いや古事記だったような・・。天照大神の話はなぜかわりと覚えているんですが。

その海幸彦と山幸彦をはじめ、邪馬台国VS伊都国、ミマキイリヒコ、イクメイリヒコ、ヤマトタケル、神功皇后、オホサザキ、イザホワケノ王、ハツセワカタケノ命、馬屋古姫の話が各章で書かれていますが、ヤマトタケルの話は結構なボリュームです。当然か。美しく冷徹に笑うヤマトタケルを父王が不気味に感じるくだりがありましたが、ヤマトタケルってそんなだったか。作者の創作かもしれない。やっぱりオリジナルを最初に踏まえて読んだ方が楽しめるのだろう。そして特筆すべきは邪馬台国。「邪馬台国はどこですか」の論説を踏まえて書かれていたのにはちょっと笑いました。ややウケです。

そしてラストの数ページ、先に読了していた弟はドカーンときたらしいけれど、そのオチがなんなのかよくわかりませんでした。神話とは読んだ人の中で世界ができるから読者こそが神であり宇宙ということ?それとも神話を書いた筆者こそが神ということ?むむむ。

古今東西創世記は面白いものです。ヒトの形をした神々が織り成す人間模様、その俗っぽさ、そしてヒトにあるまじき超全的なパワー。嫉妬深い奥様がゼウスが手をつけた女性をものに変えてしまうとか。必ずしも教訓的だったり勧善懲悪ではないところが、神話の面白い所でもあると思うんですが、日本の神話も同じようで、兄弟間の争い、女性を巡る争い、世継ぎを巡っての争い等が多く書かれていました。わりとあっさりめに書かれていたのでもっと深く書かれた古事記も読んでみたい。

読了後、あちこちの書評を見たくてYahoo!で検索していてふと気づいたのですが、どうやら「新千年紀(ミレニアム)古事記伝YAMATO」は続編らしい。だから海幸彦と山幸彦の話からスタートだったのか?前作はもしかしてアマテラスの話が書かれているの?気づくの遅いですから。いやいっそのこと知らなければ良かった。。。
2006.10.06 Friday 13:35 | posted by ソラチ
・ 鯨統一郎 | permalink | comments(0) | trackbacks(0)

邪馬台国はどこですか?/鯨統一郎

評価:
鯨 統一郎
東京創元社
¥ 693
(1998-05)
明智光秀とイスカリオテのユダのファンは必読
あくまで…。
稚拙。

釈迦は本当に悟ったのか「悟りを開いたのはいつですか?」、表題通りの「邪馬台国はどこですか?」、聖徳太子は本当に存在したのか「聖徳太子はだれですか?」、信長の死の真相を解く「謀反の動機はなんですか?」、明治維新は企画者はたったひとり「維新が起きたのはなぜですか?」、イエスの復活は真実なのか「奇蹟はどのようになされたのですか?」、6つの奇抜な仮説をバーのカウンターで闘わせる短編連作です。登場人物はバーテンダー、私立大学文学部教授、文学部助手、正体不明・在野の論者のたった4人。何とも素敵なミステリでした。

歴史に関して一番詳しいのは三国志、という私にはどの説も一見アリエナイと感じるもので、それが論理立てて証明(というのは言い過ぎかもしれないけれど)される様はとても面白い。

「悟りを開いたのはいつですか?」は特に新しい説だとは感じないけれどオチはブラボー!宗教とは、何か(一般的には神様、それに類するもの)を信じる事でしょうけれど、ごく個人的な見解ですが開祖と呼ばれる人たちは哲学者だと思っているので楽しく読めました。その他では「維新が起きたのはなぜですか?」が考えたこともなかった説だったので楽しめました。

「謀反の動機はなんですか?」は結構衝撃的な論説ですが、そういえば前に国営放送で、明智光秀は生きていた!みたいな特集をやっていたらしく、それがすごく面白かったらしい。又聞きしただけでもかなり魅力的な話だった。歴史分野はその道の研究者が数多といて研究し尽くされている分野だと思っていたのにここまで衝撃的な説を、酒の肴というカタチで見せてくれたのは、その説の正誤問わずスバラシイ。
2006.05.22 Monday 22:35 | posted by ソラチ
・ 鯨統一郎 | permalink | comments(2) | trackbacks(3)
| 1/1PAGES |
最近の記事
カテゴリ
検索
過去の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
みんなのブログポータルJUGEM(じゅげむ)