ながし読み日誌

文庫で読書。最近はハードボイルドに傾倒気味です。。
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2010.04.07 Wednesday | posted by スポンサードリンク
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眠れぬ夜の報復/岡嶋二人

評価:
岡嶋 二人
講談社
---
(1999-07)
岡嶋二人円熟期の佳作

某大学法学部教授の弁によると「必殺はテロだ!!」だそうで。今回の作品はまさに必殺シリーズのパロディなんじゃないかと思えるくらい必殺度(?)高し。ラストの大活劇で、これは必殺だ・・と感じました。

押し込み強盗により家族を失った元プロ・ボウラーの草柳。彼はあるボーリング場で、強盗時に盗まれたボールを見つけるが、事件はとうに時効を迎えていた。盗品のボールを手掛かりに報復を誓う草柳は、大胆な手段を用いて犯人をあぶりだす作戦に出る。

われながら恥ずかしい紹介文で。。。。大胆な手段とは大袈裟ですけど、言ってしまっては楽しさ半減ですから・・。草柳は果たして犯人に辿り着けるのか、一家が殺害された過去の事件の真相は何だったのか。そのあたりが面白さのポイントです。捜査ゼロ課の目標も過去の事件の真相を暴くこと。しかし彼らは真相に辿り着いた挙句に、スパイ大作戦を展開するわけです。例えるなら、殺人に窃盗の罪が加わっても大して代わんないんじゃない?みたいな暴論です。正義が掲げられているだけマシですけど、これは国家組織にはできない所業ですよ。でもまあ、スパイものが面白くないはずもなく、前作よりずっと楽しめました。事件の真相も面白いものでしたし。映画になってもさぞ面白いだろうな。

今回何となく思いましたが、岡嶋二人の書く色っぽいシーンはあまり色気を感じない。これって意識してそうしているのか非常に淡白です。聡美が躰を武器に敵を罠にはめるシーンが見られますが、あまり武器の凄さが伝わらないような。。ルパン三世の不二子ちゃんのようにはいきませんか。別に色っぽいシーンを期待しているわけじゃないんですが、それほど淡白なら、特に色気を武器にしないタイプの女性キャラでも良かったのでは。。と思わなくもない。古い作品なので今はじめて読んでどうこういうのも何ですが、キャラクターがもっと違和感なく読めたら、もっともっと楽しめるだろうにと思いました。
2007.01.17 Wednesday 22:14 | posted by ソラチ
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眠れぬ夜の殺人/岡嶋二人

評価:
岡嶋 二人
講談社
¥ 600
(1996-07)
ストーリー展開の魔術師!

貫井徳郎“症候群シリーズ”の元ネタでもある本作。あまりにも共通点多すぎてびっくりでした。激似です。別に嫌な感じじゃなくて、おお!!ここもか、みたいな発見が各所に。たとえば、警察関係者の所にチームのボスが接触すると、何も知らない奥さんが嫌がるとか。いいですね。

さて、夜道を歩いていると、若い兄ちゃんだったり酔っ払いにからまれて、振り払ったはずみで相手が死んでしまった。都会にありそうな“はずみ殺人”が続く中、その事件になんとなく共通項を見出した警察の偉い人が、通称「捜査0課」に事件の調査を依頼する。チームの構成は、美術商のボスに美人と軽い系の男。3人で罠を張り、少なく細い糸を辿り真相へ行き着く必殺系エンタです。

“症候群”シリーズに比べ、非常に軽く読みやすい。しかもこのチームの3人はめっちゃ明るいんですが。井上夢人色は薄く、貫井徳郎のような重さもなし。社会派テーマにもかかわらず軽く読めます。ただ、それって実現可能?とか、今まで捕まった人本当に大丈夫?とかその後か気になる箇所もあり、1冊にしっかり纏まりきらなかった面もあるのかな。他の岡嶋作品には劣るかもしれません。しかし、使用したテーマ、事件は非常に面白く、殺人を犯した人たちのその後のリアクションも様々でリアル。犯人も周到でなかなか辿り着けない仕組みだし。こんなこと実際にあったら恐ろしいですね。

“症候群”シリーズを読んでいた時にはまったく考えなかったけれど、今作を読んで、決して人様の前で堂々と職業を言えない陰のチームの話として伊坂幸太郎の陽気なギャング〜を連想してしまいました。チームのメンバーが明るかったからかな。作品が書かれた時代のせいもあるのでしょうか。ジョークや言葉遣い等にちょっとだけ古さを感じ、陽気な〜の方が面白かったかも。今回は事件や設定、犯人にしかける罠は秀逸なんですけど、ジョークを言うような明るいキャラクターって賞味期限があるのですねえ。そこだけがもったいない。もっと早くに読んでいたらもっと楽しめたような。
2007.01.12 Friday 00:17 | posted by ソラチ
・ 岡嶋二人 | permalink | comments(2) | trackbacks(1)

99%の誘拐/岡嶋二人

評価:
岡嶋 二人
講談社
¥ 730
(2004-06)
完成度の高いエンターテイメント
すばらしいスピード感と乗り心地の良さ!
この軽さおすすめ

誘拐小説として最高傑作だと言われているが、そういえば誘拐小説はあまり読んだ記憶がないので、他と比較してどうこうは言えない。序盤に語られる事件、途中の不安・疑問、オチのすばらしさ、どれをとっても申し分なし。序盤の事件が本当に秀逸です。何より2つの誘拐事件それぞれクオリティが高く、それ1本で1作品としても良さそうなのに、2つの誘拐を一度に使ってしまった豪華さが魅力でしょう。

始終、実際に実行された場合はどうなんだ、不自然な点はないのかとピリピリしながら、検証気分で読んでいました。ゲレンデの指示は不自然すぎやしないか、など気になるところはあったけれども、実際には運が良ければなんとでもなってしまうのだろうなと思いました。案外成功しそうです。

ただ、「クラインの壷」ほどの強烈なインパクトは私には感じられなかった。誘拐小説に馴染みがないからだろうか。「この文庫がすごい」ミステリ・エンタメ部門堂々の第1位という結果を見て、ネタが豪華だったり構成が素晴らしいからかなあ、くらいの感想しか持てず、支持されている確固たる理由が見えない。私がハードボイルド好みだからかも。

西澤保彦先生のあとがき、着眼点も面白いです。 本の解説を読むのは好きじゃないのに思わず読んでしまいました。
2006.06.17 Saturday 07:44 | posted by ソラチ
・ 岡嶋二人 | permalink | comments(4) | trackbacks(3)

クラインの壷/岡嶋二人

評価:
岡嶋 二人
新潮社
¥ 620
(1993-01)
おもしろい

この世界は夢、幻

ゲーム作家が自身のゲームのモニターをすることになる。ヴァーチャル・リアリティシステムを採用したそのゲームは、徹底した秘密主義のもと開発されていたが、ゲームが進むにつれ彼には不審な声が聞こえるようになる。やがて、一緒にモニターをしていた女の子が失踪する。

文句なしに最高のミステリ。岡嶋二人作品で、他の作品を傑作にあげる人も多いけれど、私にはやはりこれ以上の傑作は考えられない。本格ミステリとしても最上級です。今まで読んだミステリでベスト5、いやベスト3を挙げるなら、確実にランクインしてくる作品。初読みは、綾辻の十角館読んだ直後くらいで、もう十年前くらいになりますが、今なお色褪せない傑作です。

どこかの書評で書かれていた、「始まりはあるのに終わりがない」。まさにそれこそがクラインの壷であり、答えはおそらく用意されているだろう。それを捜すも良し、いっそわからなくていいや、と楽しむのも良し。結局のところ「ドアを開けた先は何処か」という事なんですが、私にはわかりません。いつかゆっくり検証しながら読み返したい。
2006.05.29 Monday 13:20 | posted by ソラチ
・ 岡嶋二人 | permalink | comments(4) | trackbacks(2)
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