ながし読み日誌

文庫で読書。最近はハードボイルドに傾倒気味です。。
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2010.04.07 Wednesday | posted by スポンサードリンク
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阿修羅ガール/舞城王太郎

評価:
舞城 王太郎
新潮社
¥ 580
(2005-04)
三十のおっさんがかいてるとこがうける
ぶっとんでる?
舞城王太郎の代表作
賞味期限があると言われている本書。果たして今この時読むのは賞味期限切れなのか。確かに芸能人の名前だったり映画の話だったり話題になった事件が、作品の中で触れられているからか。それともキャラクターの年齢層が低い分、彼女たちにとっての常識を知らない世代にはキビシイという意味だろうか。

ようやく読む気になって手に取ったはいいけれど、好きでもない男とホテルに行って自己嫌悪に陥る主人公の視点からなる冒頭。特に女子高生の倫理観や性生活、恋愛にあまり関心がないので、いつまでこのテの話が続くのかと正直苦痛でした。初めて舞城で嫌だと思ったかも。ピコーンは嫌じゃなかったのになあ。しかし、思いもしなかった事件が起きて、そんな事件に動揺しながらも主人公・アイコは恋愛にばかり心動かされる。読者としては恋愛よりも事件の方が気になるんですが、気になるところで現実とはかけはなれた世界の話が始まる。

まずは三途の川らしき情景、どういうシチュエーションで占い師がいるのかわからない。そしてグッチ裕三やら誰やら芸能人が数多く登場する意味もわからない。ただ、三途の川についての作者の印象が案外皆がイメージするような三途の川で、読者も作者も日本人なのだと感じた。そしてもう一方のパラレルワールド。よくわからない世界でよくわからない魔の森の冒険譚。これは面白い。気持ち悪いけれども、少しでも音をたてる、その音が声になり、音が声が迫ってくる様子はなかなか出来のいいホラー作品でした。ここだけがすごく良かった。舞城王太郎の書くホラーはもしかしたら面白いかもしれない。

で、挿話も終わり現実世界では、狂気のようなアルマゲドンとやらが終わってしまっていて、後日談が続く感じ。しかも結局“ぐるぐる魔人”と呼ばれる殺人犯はどうなったのか、アイコはどうなったのか。ちょっといい話風に終わっても、結局寺に居る二人は実在している二人なのか。一方は幽霊なのか。疑問ばかりが残ってよくわからない感じでした。急いで読んだので大切な箇所を読み飛ばしたのかも。。しかしわからない。結局佐野の誘拐事件も全く解決されていないし。途中の挿話以外はちょっと残念な感じです。本当に舞城王太郎の作品で初めて面白くなかったかも。

最後に「川を泳いで渡る蛇」という短編が収録されていました。これはかなり好きです。こんな兄弟喧嘩、親子喧嘩、恋人(奥さん?)と喧嘩。そんな日常を書いただけの作品なんですが、これがすごく好きだ。いつもどおりの彼女にいつもどおり優しく振舞うのではなくいつもと違ったことをしてみる、そんな日常なのに日常と違うこと、しかしそれも日常の範囲内の出来事。そんな瞬間を書いただけの作品だろうに、羨ましさや懐かしさ、温かさがあって気持ちのいい作品でした。こういうものも書けるのか、舞城王太郎。今後も続けて読み続けたい作家です。
2007.05.10 Thursday 21:17 | posted by ソラチ
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九十九十九/舞城王太郎

評価:
舞城 王太郎
講談社
¥ 1,575
(2003-04)
人生と同じ
意味判らせてやんねー世
メタメタメタ・・・

極論かもしれませんが、常々わたしは、横山秀夫に直木賞をあげられないなら直木賞の価値がないと思っていますが、同じように芥川賞には舞城王太郎だろうと思っています。何といっても芥川賞は文学界の新鋭を評価する賞。そして間違いなく舞城王太郎は文学界に物凄い風と勢いをもたらした新鋭。これを評価できないなら芥川賞の意味がない。そう思っていたけれども・・。この作品は新鋭過ぎました。新し過ぎです。新春一発目は舞城王太郎「九十九十九」です。

ストーリーはもう何と言っていいのか。。。九十九十九が産まれてから加藤家の地下を出るまでが第一章。そして第二章では違う生活を送っている九十九十九のもとに清涼院流水の名前で第一章の小説が送られてくる。さらに第三章では第一章と第二章の内容が送られてくるみたいな、パラレルワールドの連続。仕組みはすごく面白いけれど、これってもしかして清涼院流水の作品を知らなければちっとも面白くないのでは。。。というか8割以上わからない気がする。西尾維新の「ダブルダウン勘繰郎」はJDCを知らなくても何とかなったのだけれど。早まったかという感じでした。

ただ、文章はとっても舞城王太郎。世界観はまるでわからない。一番びっくりしたのが九十九十九という名前がファーストネームだったこと。「九十九十九」は傑作として評価されている方が多いので楽しみにしていたのですが、読者の力不足で楽しめなかった感じ。無念です。舞城テイスト抜群だったのになあ。実際の九十九十九はどんななんだろう。一目見て失神するような美しさって実在するのでしょーか。確かに、私の大好きなトム・クルーズはファンを失神させるルックスの持ち主ですが、生まれてから失神という体験をした事がないのでいまいちピンときません。凄いのは分かるけれど、清涼院流水版の九十九十九も目玉取り出したり幼少時にあんな苛烈な環境にあったのでしょうか。あれは舞城オリジナル設定なのか公式設定なのか。九十九十九というキャラクターが非常に気になる内容ではありました。オリジナルを読みたいけれども読みたくないような二律背反。むむむ。
2007.01.03 Wednesday 09:17 | posted by ソラチ
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熊の場所/舞城王太郎

評価:
舞城 王太郎
講談社
¥ 819
(2004-12-07)
舞城が気になる方へ
舞城入門書(?)
悔しいけど感動。

相変わらずスピード感があって読みやすい。
版型によって表紙違いますけど、やっぱり新書でしょ。
ラブリーなピンクの熊が目印の本書。
「熊の場所」「バッド男」「ピコーン!」の3話からなる短編集です。

「ピコーン!」の評判はよく聞きますが、何と言っても表題作「熊の場所」、これが一番好きです。ある日同級生のランドセルに入っていた猫のしっぽを見つけてしまった少年。猫殺しの疑惑を持ったまま、同級生に近づきます。尾行して張り込んで・・それは面倒なので一緒に遊びながら仲良くなって近づいて見張る事にした少年。これはアンチではなしにミステリでした。何といってもその子供目線の上手いこと。少学5年生の頃、そのときに感じた事を思い出したり言葉にするのは非常に難しい。それをあっさり書いてくる舞城王太郎が凄い。これってミステリーランドで出版しても何の支障もないのでは。むしろ、これがミステリーランドで出版されたら間違いなく私のベストです。帯に書かれていた「あなたの熊の場所はどこですか?」さあ、そんなものから目を背けて生きてきた私には皆目検討もつきませんが、こどもが父からそんな話を聞いたら結構感動するかも。

「バッド男」は、どうしようもなくすれ違う男女の行く末を友人が一歩引いて見守る話と、自分のバッドで人から殴られ虐待され続ける浮浪者のような男性の事件を描いた話。この作品だけ二段組でした。1話目と3話目が強烈なので印象は薄いけれども。このテの話は最近よく読んでいるような・・。周囲の人間を観察する主人公の目線が、非常に舞城っぽいです。

そして、「ピコーン!」。女版・奈津川四郎ですか、これ。例えば暴走族だったりヤンキーだったりが、いつからか社会の中に紛れてわからなくなってゆく。その変わって行くまさにその時を背景に描いた男女の愛。むしろ女の子の物語でしょうか。語られる内容だったり言葉はかなりキタナイけれど、彼女の真っ直ぐさはとても好ましい。内容もかなりバイオレンスですけれど、このあっけらかんとした舞城王太郎のバイオレンスっぷりは読んでいて気持ち悪くなくてスキです。事件を一気に解決するスピードも行動力も奈津川四郎そのもの。違うのは前向きさと純真さを併せ持っている事かな。「煙か土か食い物」の舞城王太郎に魅せられたのならこのお話はオススメです。
2006.12.04 Monday 12:22 | posted by ソラチ
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暗闇の中で子供/舞城王太郎

評価:
舞城 王太郎
講談社
¥ 1,334
(2001-09)
ゼロ年代最強
嘘によってしか語れない真実もある
これは君に下手な嘘つきの誇張を感じさせないか?

何だこれは・・・。

そんな読後。

前作「煙か土か食い物」に続く奈津川家サーガ。
相変わらずハイスペックな一家ですが、今作は芸術家肌の三郎が主人公。序盤、比較的凡人っぽい感性があるように見えて、共感する所も多かったのだけれど、途中からどんどん奈津川家の一員らしく、普通じゃありませんでした。

相変わらず、猟奇的な殺人事件が発生するけれど、扱いが酷い。あっという間に解決ではケーサツ要りません。どこまでハイスペックなのか。トマス・ハリス風の味付けはそこまで濃くなくても良かったなあ。

少女がバラバラのマネキンをあちこちに埋める事件から始まり、バラバラ殺人事件、連続ハラ切り事件、凄惨な連続殺人事件、複数ある事件が解決してもなお中盤。あれーと思いながら読んでましたが、これは三郎の事件であり、彼自身の問題が解決するまでは、いくら連続事件が解決されても終わりじゃなかった。この結末はあまり予想してませんでした。前作はスピード感があったけれど、今作はゆっくりな感じ。主人公の一人称で語られるスタイルなので当然違いは出てくるけれども、こうがらっと印象が変わるほど書き分けられるのかと感動すら覚えました。汚い言葉は沢山あっても文章が上手いのかあまり気にならず。

前作からちらっと思っていたけれど、この作者、あまり色んなことに執着心がなさそうだ。それとも奈津川家の物語がそういうコンセプトなのかな。文章はかなり好きなので、奈津川家以外の話も読んでみたい。
2006.05.18 Thursday 23:19 | posted by ソラチ
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煙か土か食い物/舞城王太郎

評価:
舞城 王太郎
講談社
¥ 1,050
(2001-03)
文学版キッドA
奇麗事抜きに愛を謳っている傑作
時間を忘れた

まず、裏表紙の作品紹介からスゴイです。
なんかいろいろ新しい。
一人称でスラングでスピーディーでハイテンション。
そのまま最後まで突っ走ったところがすごい。
タイトルもすごいな。
何より文体がすごいよ。こんなセンス初めて見ました。
そして、しっかり本格ミステリだったことも嬉しい。

中盤に書かれた家庭内のいろいろは、いつまで続くのかなと思ったりしたけれど、結局最後まで読まされました。謎が出来たら速攻解く!みたいな探偵手法は新しいな。裏表紙に書かれていた「密室?暗号?名探偵?くだらん、くたばれ!」の通りでした。設定やら伏線を使い切ったところも高得点。

ラストのアクションシーンで、あの場面で鼻歌交じりな主人公に喝采。
テンションが落ちてない。スピード感とテンションに読まされた感じもするけれど、乗せられてチャッチャと読んだ方が楽しいかな。
これは本当にメフィスト賞だ。
2006.04.20 Thursday 00:48 | posted by ソラチ
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